人気ブランドの下請け業者は奴隷!? 109系の代表「C」凋落の真相
有名百貨店の大丸などを経営するJフロントリテイリング子会社の通販会社「JFRオンライン」が、下請け業者に在庫品の衣類約3億3,300万円分を不当に返品したことに対し、公正取引委員会は11月11日、下請法違反(不当な理由による返品など)に基づき再発防止を勧告した。
業界を知らない者からすれば、3億円もの返品は震え上がるような行為だが、ファッション業界、特に流行の移り変わりが激しい女性服や通販業界からすれば、金額の総額は別として返品などは珍しいことではないという。
■返品された商品が韓国の東大門市場で販売されている
「洋服には旬があり、適切な販売時期を逃せば “ゴミ”になります。定められた納期から大幅に遅れると値引きを受けますし、ひどい場合は売上保障(上代=定価での買い取り)になります。私たちはJFRさんとは直接取引はありませんでしたが、知り合いの会社はけっこう締め上げられていたみたいですよ」(メーカー社員)
JFRなど通販サイトの場合、クライアント側(この場合JFR)が企画した製品を製造業者に縫製させる形態ではなく、ブランドや企画会社が持ち寄った製品をコンペにかけて販売する「持ち寄り型」が多い。サイトに掲載しても売れなかった場合、商品を製造した会社は出入り禁止になったり、低品質、納期遅れなどの理由がつけられ値引きを受けたりすることも珍しくない。
「納期遅れで値引きを受けても納品できればまだいい。痛いのはやはり返品や売上保障です。納期が遅れてしまったこちらが悪いんですが、担当者から『〇日までに入れろ』と言われて、海外で作った製品を税関まで取りに行き、社員総出で徹夜で検品して物流センターに納品することもよくあります。そこまでしたのに値引きをされる場合もあるので、ストレスは半端じゃありませんよ。それでも、クライアント側も利益を出すために必死だから、悔しいけど納得できる部分はありますが、JFRさんの3億の返品はさすがにやりすぎ。恐らく、向こうも経費削減を上から言われていて、“死に在庫”の処分のために理由をこじつけて返品したのでしょうね」(同)
返品を受けたメーカーは処分に困り、採算を度外視した捨て値でブローカーに売ることもある。韓国の東大門市場などでは、某ブランドの製品に生地もデザインもそっくりなのに、韓国のブランドタグがついた商品を見かけることがあるが、これらはコピーではなく、返品された製品が流れ着いたものなのかもしれない。