ジャニーズ事務所公式FC、消費者団体から“前代未聞”の通知! 「訴訟の可能性」指摘
ジャニーズ事務所の公式ファンクラブを運営するジャニーズファミリークラブに対し、消費者庁が認定している特定非営利活動法人(NPO法人)が“申入書”を送付していたことがわかった。現在、ファミリークラブが使用している会員規約に関して「消費者保護の観点」から検討した結果、“不適切”と思われる条項が判明したという。
ファミリークラブは現在、少年隊からジャニーズWESTに至るグループのファンクラブを開設しており、各グループとも入会金1,000円と年会費4,000の計5,000円の会費を振り込む入会システム。会員の特典は会員証の発行や、「コンサートチケット他、できるかぎりのチケット優先申込」などで、ジャニーズファンのほとんどがお目当てのグループのファンクラブに入会している。
今回、ファミリークラブに申し入れしたのは、適格消費者団体「消費者被害防止ネットワーク東海」。「消費者の被害の防止及び救済」などを目的とし、消費者問題に取り組む弁護士や消費生活相談員等の専門家らによって構成された団体だ。
ジャニーズファンに一連の動きが発覚した発端は、11月16日午後10時頃、消費生活アドバイザーをしているというTwitterユーザーが「#ジャニーズファミリークラブ」のハッシュタグをつけ、同団体のファミリークラブへの働きかけをツイートしたこと。その後、同団体のサイトはアクセスが殺到したのか、つながりにくい状況となってしまったものの、公開されている申入書のPDFデータは17日現在も閲覧可能となっている。申入書は10月18日付だが、これまでジャニーズファンの目に触れる機会がなかったのか、今回のツイートによって拡散された。
申入書では、ジャニーズファミリークラブの会員規約に記載されている条項に関し、消費者契約法に鑑みて変更すべき点を指摘している。
「例えば、ファミリークラブ側が規約を変更した際、ファンクラブ会員の同意もなく、“変えたから従え”といわんばかりの現在のやり方は、消費者契約法に抵触しうると警告しています。ほかにも、『免責、損害賠償請求権の放棄』『退会、会員資格喪失の場合の年会費の不返還』について、消費者契約法に基いて規定をあらためるよう求めています。10月上旬にはコンサート事務局の対応をめぐり、KinKi Kidsのコンサートに落選したファンが、返金が遅れていることに不満を爆発させていました。『消費者センターに相談する』と訴えていたファンもいただけに、この一件で『ようやく事態が動きそう』という声が上がっています」(ジャニーズに詳しい記者)
これまで、ファミリークラブの“職務怠慢”はジャニーズファンの間で有名だったこともあり、「やはりファミクラの規約自体が、消費者契約法に抵触するようだね」「事務所やファミクラには体質を変えてほしいと思うから、これを機に良くなってほしい」と、改善を期待するムードが高まっている。
今回、ファミリークラブへ送付された申入書は、どれほどの効力を持つものなのか。弁護士法人AVANCE LEGAL GROUP LPCパートナー弁護士の山岸純氏に、話を聞いた。
「『適格消費者団体』とは、各種の悪質な商法によって消費者トラブルを起こしている企業などに対し、個々の消費者(被害者)に代わって『モノの購入に関する契約』などを差し止めるように要求できる団体です。多くの場合、悪質な健康食品の訪問販売や、マルチ商法、内職ビジネスなどがターゲットになるのですが、芸能事務所やファンクラブ運営会社に対し、このような要求がされたことは聞いたことがありません。おそらく、この団体に『いつの間にかファンクラブから脱退させられた』『年会費を返してくれない』『コンサート・チケットの優先販売の申し込み内容などが、勝手に登録変更された』といったクレームが相次いだことから、調査に乗り出した可能性が高いでしょう」
また同団体はファミリークラブに対して11月18日までに回答を書面で送るよう指定している。今後、どのような動きが予測されるだろうか。
「適格消費者団体は、個々の消費者(被害者)に代わって訴訟を提起することもできます。今回、ファミリークラブには『会員にとって不利な規約を変更せよ』という要求をしていますが、団体側が本気なら、18日までに変更をしなかったり、無視したりした場合、ファンクラブ運営会社を被告として訴訟を提起する可能性もあります」(山岸氏)
ファミリークラブ側がこの申し入れにどう対応するのか、今後の推移を見守っていきたい。