高樹沙耶、石垣島での自然生活に見る“バブルを忘れられない女”の顔
さらに、高樹は千葉の自宅の隣にカフェをオープンさせることになり、屋根のわら積みと土塗りをしたい“ボランティア”を募って、話題となった。無償の労働が許されるのは、社会や公共の福祉に貢献するからであり、なぜ高樹個人の経済活動のためにタダ働きしなければいけないのか理解に苦しむが、これもまた「面倒なことは他人がやってくれる」という姿勢の表れなのではないだろうか。
現在の高樹は、大麻合法化を訴えたことで、麻薬推進論者であるとみなされ、芸能活動を休止せざる得なくなり、石垣島に暮らしているという。10月7日放送の『爆報!THEフライデー』(TBS系)は、そんな彼女の現在を特集していた。「女性自身」(光文社)で、妻子ある男性との事実婚が報じられたこともある高樹だが、実際は20~ 60代の4人の男性と共同生活をしているそうだ。女性1人に男性4人の生活というと、恋愛関係なのではないかとみられることが多々あるそうで、それを逆手にとって、高樹は彼らを「私の愛人たちです、ウソです」と紹介した。
彼らの関係がどんなものであってもどうでもいいが、高樹が石垣に1,500坪の土地を購入し、ナタでジャングルを切り拓くうち、建築関係の仕事をしていた同居人や高樹の考えに共鳴する仲間が集い出したという。そして、彼らの知識と力を借り、自分たちの力で宿泊施設を作り上げたそうだ(宿泊施設の収益が、高樹らの生活費になっている)。
高樹の信奉者ともいえる“仲間”の写真が映し出され、そのほとんどは男性だった。彼らに賃金が払われたかについては言及されていなかったが、賃金の発生する関係を“仲間”とは言わないので、無償なのではないかと私は勝手に推測している。
何が言いたいかというと、高樹は男性を使うのがうまいということだ。バブルの頃、若い女性はそれだけで価値があり、見返りもないのに、タクシー代わりに家まで送り届けたり、食事をごちそうする男性がいたといわれているが、高樹が房総や石垣でやっていることも同じではないだろうか。高樹のバブルは終わっていないのである。
人が“変わった”かどうかは見ためや主義よりも、どうやって成し遂げるか、つまり“行動”でしか量れないと私は思うのだが。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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