カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」10月11日号

「婦人公論」の“親子貧困”特集にみる、家族という“普通”の揺らぎ

2016/10/05 21:00
「婦人公論」10月11日号(中央公論新社)

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)特集は「『親子貧困』に陥らないために」なのですが、その前に「アンジェリーナ・ジョリー・ピット すべてはブラッド・ピットが支えてくれるから」というページを見てみましょう。タイトルを見て、「アレ?」と思った方も多いのでは。そう、先月末に降って湧いたブラピとアンジー夫妻の離婚騒動。報道によるとアンジーが離婚を申請したそうですが、記事では自分がいかに夫を愛し、夫に支えられて現在の生活が送れているのかを切々と語っています。

 長く事実婚状態だった2人が「それでも結婚しようと思ったのは、この関係をさらに深めつつ、私たちの運命共同体の子どもたちと一緒に祝いたいと思ったから」。しかし最後に意味深なフレーズも。「いまの私たち夫婦は最高の関係にある。私たちはお互いを信頼しているし、結婚の暗い面を追及するには、とてもいい状態にいます」。アンジーは「結婚の暗い面」をどれほど追及してしまったのか……。

<トピックス>
◎アンジェリーナ・ジョリー・ピット すべてはブラッド・ピットが支えてくれるから
◎特集 「親子貧困」に陥らないために
◎村田沙耶香 芥川賞をとっても、コンビニ店員に早く戻りたい理由

■結局、愛はお金を超えられない

 出版物の“時差”については、いかんともしがたいものがありますが、しかし人間関係は数カ月でいとも簡単に変わってしまうものかもしれません。いや、常に変わるものくらいに考えていた方がいいのかも。

 現代人が特に家族に対して盲目的に抱いている「ずっと変わらない関係」という確信について、お金を切り口に問うのが、今号の特集「『親子貧困』に陥らないために」です。リードには「いまはそこそこ安泰な家庭も、このご時世、いつ生活苦に陥るかわかりません。夫が突然リストラされた。働かない子どもの生活費がかさむ。親の介護のため職を手放したら――」。幸せな家庭を襲う「現代の“落とし穴”」をこれでもかと投げつけてきます。

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