保育園もシッターも経営を成功させたいなら「○○がやりたがらないこと」に目を付けて！

　あとは、大手がやりたがらないエリアの仕事です。具体的には八王子、立川エリアですね。ありがたいことにシッターさんが広範囲に居住しているので、いまのところ間に合わせてうかがうことができています。茨城県や千葉県の成田近くも問い合わせがありますが、「最低8時間以上＋交通費実費」と返信しています。

　保育園も大手がやらないことに目を付け（あえて認可外、楽しくお受験対応、各界の有名人プロデュースによる毎日のアクティビティ）、おかげさまで平成30年までいっぱいの状態です。ビジネスって普通にやったら、資金力の面から考えても大手に絶対勝てないのです。

　ただ、保育園もシッターも自分で回してる感でいっぱいですね（笑）。さすがに、細かい事務仕事はやらなくなりましたが、保育園仕事だと見学、契約、入園前面談の対応、相談ごと全般の対応、請求書のチェック、スタッフの勤怠チェック、出入金、事務スタッフが忙しければ電話にも出るし、トイレ掃除は必ず自分がします。森のナーサリーの方は、派遣するスタッフ決定、スタッフへの前日確認メール、新規客へのあいさつ、スタッフ面接、請求書作成、給料明細作成、出入金を行っています。

　誰かが体調不良で休むと、現場にも行きます。普段は時間が自由になるので、午後からジムでトレーニングしたり、お茶を飲みながら優雅に本を読んだりもしますが、いつでもどこでも24時間出動態勢なわけなのです。好きでやってますが、これって結構ストレスですよ（苦笑）。頭の中では「いつかは文京区に住んで、毎日神楽坂ランチ♪」なんてことも妄想しているけれど、まだまだ現役になりそうな予感。早く後継者を育てないとね。

　会社は大きくなってきたけど、我が子には自分の好きな道に進んでほしいです。継ぐほど価値のある会社ではないし、なにより細かくないとダメな仕事なので、娘の気性には合わないですね。婿は「俺にはこんな塵積（塵も積もれば山となる）の仕事なんてできない」と言われています。

角川慶子（かどかわ・けいこ）
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に「駒沢の森こども園」、2016年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」をオープンさせる。家庭では8歳の愛娘の子育てに奮闘中。

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