「知念くん可愛いんで」農家のおじさんまで魅了する、Hey!Say!JUMP・知念侑李の“強さ”
まず民家のお父さんをつかまえて、「農家を見せてもらいたい。何か育てていらっしゃる?」としどろもどろに聞く知念。「いや、別に」「うちで食べるものは作ってる」と言われると、紫吹淳の名前を出し、群馬の食材を集めてBBQでおもてなししたい、とたどたどしく説明。単刀直入に「是非トウモロコシを」と言い出す知念に、お父さんは笑顔で「じゃあ採ってあげましょうか」と言うのだった。
さらに驚いたのは、その後の知念の質問だ。「ちなみに今日ってずっといらっしゃいますか?」。お父さんが「今日は、ほとんどこの辺で」と言うと、知念はちょっと困った微笑みで言う。
「実は、場所もないんですよ」
これにはお父さん、「ないんだ~」と笑ってしまうが、そこで知念が笑顔でもうひと押し。
「お庭とかをぜひ」
結局、奥さんに確認したところNGとなったが、そこからBBQできる場所を求めて歩き、2軒断られた上で、快諾してくれたのは1000坪の畑を持つご夫婦だった。しかも、このご夫婦は、スーパーで知念が肉の買い出しをしている間に、8種の夏野菜を分けてくれ、倉庫に眠っていたBBQセットを用意してくれ、スイカまで冷やしてくれるという「全面協力」ぶりである。
完璧なサポートを得て準備されたBBQ会場に、紫吹と有岡が到着。驚いた紫吹に「ステキね。これ用意したの?」と聞かれると「用意しました。あと、お父さんとお母さんにちょっと手伝っていただいて」と言い、頭を下げる知念に、お父さんは言う。
「知念くん、可愛いんでね」
これこそが知念の「強さ」だ。
おそらくこれがTOKIOメンバーだったら、野菜の調達を手際よく行ったり、BBQできる場所を行政に問い合わせたり、BBQセットは何なら自分たちで作ってしまうことだろう。だが、知念の場合は「困ってみせる」「欲しそうにしてみせる」。メンバー内ではよく「小悪魔」キャラと言われるが、実際の知念はそんなに腹黒くもなければ要領よくもなく、甘えん坊でもなく、人見知りで遠慮がちで不器用で、「放っておけない」オーラに満ちている気がする。
「ね~~~、お菓子買って~」と駄々をこねる子には、「ダメ!」と怒鳴るお母さんも、何も言わずお菓子の棚の前でジーッとおとなしく見ている子には、つい「ほしいの? 買ってあげようか?」と言いたくなってしまう。知念にはそんな魅力がある。
そう思うと、知念はTOKIOとはまた別の意味の、場合によってはTOKIOを上回るほどの「最強」キャラかもしれない。
(田幸和歌子)