ボスである議員が大臣になると秘書も偉くなるのか? 永田町の秘書の上下関係
■永田町の秘書同士では原則、上下関係は存在しない
意外なことに、ボスが大臣になると議員会館の秘書たちは仕事が減って楽になります。専用車が用意されて送迎の苦労から解放されますし、スケジュール管理も大臣室に移行されるので日程調整もしなくて済みます。支援者からのアポイント依頼なども、大臣室の日程担当者に取り次ぐだけです。そして、何よりも、大臣になると忙しくてめったに議員会館の事務所には入らなくなるので、ボスの顔を見る機会も減りますから、ストレスが軽減されるんです。
仕事は楽になるのに、訪問する方々はペコペコしてくれるので、なんとなく自分が偉くなったと勘違いする人もいます。もちろん、偉くなったのはボスである議員であって、その秘書ではないのですから、そのうち痛い目にあって気づくことが多いです(笑)。「痛い目」ってどういうことかについても、また今度。
まあそうやって成長して、一人前の秘書になっていくんですね。優秀な秘書は決して勘違いしませんから。
ちなみに入閣経験の多い議員の秘書が偉くて、新人議員の秘書が偉くないといったヒエラルキーは、ないですね。各事務所内ではキャリアや責任の度合いで上下関係があることもありますが、原則として「秘書同士の上下関係」は存在しないのです。
でも、なんとなく「秘書会」(というのがあるんですよ)の会長や派閥の代表議員の事務所の秘書たちには気を使ってしまうのが実情です。「あの秘書には逆らってはダメ」とうわさされる秘書たちもちらりほらり……。
慣れてしまえば、「そんなもんだよね」って上手にお付き合いできますが、どうしても空気を読めずに反発してしまう秘書もいるんですよね。そういう方は、就職活動が必要になった時に干されてしまいます。こういうところで、永田町って怖いなーと思います。