IMALUの恋愛トークに見た、“親の七光り”で生きてきたがゆえの勘違い
またIMALUは、アイコンが自撮りの自分大好きな男性にも冷めるそうだ。なぜなら、さんまが夜中に自分の出演した番組を必ず見て、大笑いしている姿を連想させるからだそうだが、これもさんまは、自分が好きというより、「仕事のため」にチェックしているのではないだろうか。
番組名は失念したが、以前千原ジュニアが、ビートたけしについて「キー局はもちろん、地方のテレビ局のお笑い番組を見て、若手のチェックを怠らない」と持ち上げ、当のたけしが「面白いやつは早めにつぶしておかないと」と答えていた。これもまた「仕事のため」と考えることができるだろうが、何もしなくても実力以上の仕事が舞い込むIMALUには、大御所には大御所の危機感があることを理解できないのだろう。
このほかにもIMALUは、「(男性の)靴下の色が変だと冷めてしまう」など、自分が恋愛しにくい体質であると説明していたが、“恋多き女”として知られた母・大竹とは大違いである。大竹の恋の相手は、さんまをはじめ、中村勘三郎、TBSのプロデューサー・服部晴治、野田秀樹と職種に統一性はないものの、『ボクらの時代』(フジテレビ系)において、例のねっとりした口調で「才能のある人が好き」と語っていた通り、全員各分野の一流の男性だ。交際相手から受ける影響は大きいものだが、そう考えると、結果的に大竹の恋愛は「仕事のため」になっているのではないだろうか。IMALUの元カレも、さんまも、大竹も、職種やアプローチは違えど「仕事のため」を実行している。それに対し、IMALUがしていることは、単なるダメ出しである。
オオモノの娘として育ったIMALUには、いくら理屈で説明しても「仕事のため」は理解できないだろう。しかし、だからこそIMALUが、今後、“最強の二世”になる可能性は十分にある。なぜなら「結婚しないオオモノの娘」というのは、バラエティ番組のテーマとして成立しやすいので、一定の需要があるからだ。お父さんが怖く(さんまは、芸人たちに『IMALUに手を出したら殺す』と話しているそうである)、芸能人というほど外見に秀でているわけではない、そこはかとない上から目線の女性は、男性が最も敬遠するタイプであり、バラエティ番組でウケるだろう。「IMALUもいい年やけど、結婚せえへんねん」、さんまがそうもらすとき、IMARUは“最強の二世”になれる。そして、その日は案外近い。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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