ホテルの部屋の絵の裏のお札は誰が貼ってる? ラブホスタッフが語る都市伝説の真相
ラブホテルの清掃員をしている大塚が体験した&同僚から聞いたコワーいラブホ怪談をご紹介します。
【第3話】壁の顔
ラブホも今やクールジャパンの代表となり、あちこちでリニューアルがされています。ちょっと前のことですが、当ホテルにも業者さんがおいでになり、リニューアル前のお部屋の撮影をしていかれました。壁など室内の傷み具合を見たり、デザイン提案の参考にしたりするものですね。
業者さんがお帰りになり、夜になって従業員控室でごはんを食べていた時のこと。
「撮影に立ち会ったら、またお客さんが額の裏にお札を貼ってた。キモチ悪いからカンベンしてほしいよなあ。明日、神社に持ってくわ」
スズキ主任がカップ麺にお湯を入れながら、ぶつぶつ言ってます。主任によると、ホテルや旅館の額や掛け軸の裏にお札が貼ってあるのは、「店側がやってる場合もあるだろうけど、お客さんのほうが多い気がする」そうです。ちなみに「ベッドの裏にお札がびっしり」とかは都市伝説ですよー。大塚も見たことありません。
「だって、お客さんに見つけられたら、店は困るもん」(スズキ主任)
「なるほど。そうですよねー」(大塚)
「だいたい、今は会社形式で、オーナーと現場が違うからね。個人経営なら、お札を毎年取り替えるとかもアリだったんじゃないかしら」(マキノさん)
ベテランのマキノさん、さすがの推理(?)です。ラブホ業界は定着率が悪く、辞めた人たちが前のお店の悪口を言うのはフツーです。お店ぐるみでお札を貼ったり替えたりしてたら、すぐに言いふらされます。
「そうだな、昔は迷信深いババアのオーナーとかがやってたかもな。今はないだろうなあ」
スズキ主任はそこまで言うと、「ナイショにしとけよ」という目でマキノさんと大塚を見ました。
「204号室、壁を写そうとしたら、デジカメの『顔認識』がぐるぐるしてた。偶然かなと思ったけど、何回やっても同じだった」(スズキ主任)
「ええっ! 壁に顔があるってことすか!?」(大塚)
「そう。さっさとシャッター押したけど、タイミング次第では、写っちゃいけない顔とか写ってたかも」(スズキ主任)
「いやあねえ。あの部屋、たしかにキモチ悪いのよね。やっぱり『4』がつく部屋はダメね」(マキノさん)
「業者も『おかしいですね』とか言ってたけど、実は相当ビビってたと思う」(スズキ主任)
お札を貼ったのは、「壁の顔が視えた」お客様なんでしょうか。つか、そんな時のためにお札を持ち歩かれているとしたら、それもコワいんですけど。
大塚(おおつか)
都内某所のラブホで働く現役清掃員。R-ZONEと月刊誌「週刊実話ザ・タブー」(日本ジャーナル出版)で清掃員の日常を連載中。