天皇の「生前退位」、皇室御用達の女性週刊誌が報じる“2つの背景”とは
こちらの説明はこれだけだ。少し補足すると、これまで護憲への想いを度々語ってきた陛下は、安倍政権の改憲姿勢に危機感を抱いてきた。そのため今回のタイミングで発表することで、改憲へのタイムスケジュールをなくし、安倍政権に改憲をさせない。また「生前退位」つまり終身制を否定することで、安倍首相が復活を目論んでいるとされる戦前の大日本帝国憲法へ回帰させないというものだ。
こうした両論が実際に存在することから、皇室記事に歴史と定評のある、しかも最近は“護憲”を訴え続けている「自身」の見解が是非知りたいと思ったが、残念なことにその真偽には触れていない。そして前出の田原氏のこんなコメントでお茶を濁した。
「このように両極端な説が出た場合、僕はどちらにもリアリティがないと思っています。陛下も、そういった形で利用されるのは望まれていないはず」
非常に残念だ。「自身」は先週も美智子さまの「改憲への『無言の抵抗』」という骨太の特集を掲載し、また今週も「自民党『改憲草案』を解く」キャンペーンの特別編で、憲法改正への危険性を強く指摘しているのに。
是非、どちらが本当なのか、今後の綿密な皇室取材を期待したい。
改憲の危機迫る日本だが、そんな中、平和憲法について語り続けた反骨の文化人・永六輔氏が逝去した。
「週刊女性」では、1991年からTBSラジオで永氏のサポート役を務めたはぶ三太郎氏が永氏の想いを代弁している。仕事に厳しく、時にはスポンサーやスタッフと喧嘩して番組を降板したこともある永だがしかし、そこには強い信念があった。はぶ氏はよくこう言われたという。
「ひとりひとりにわかってもらえるように放送しなければいけない」
そしてもう1つが弱者への視線だ。
「いつも弱い方たちの視点に立ってものを見ていらしたんですよ。社会的に弱い立場の人、すぐ浮かぶのは障がいのある方ですよね。そういう方たちの目線で物事を見ていたんです。だから権力をふりかざして偉そうにしている人たち。そういう人たちには頑として自分の意見を譲らず戦っていましたね」