天皇の「生前退位」、皇室御用達の女性週刊誌が報じる“2つの背景”とは
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
参院選も終わり、今度は東京都知事選だ。保守分裂で千載一隅のチャンスだが、しかしまたぞろ鳥越俊太郎候補へのネガティブキャンペーンが。今週にはトンデモスキャンダルが週刊誌に掲載されるという不穏なうわさが飛び交っているが、その真偽や背景を含めて動向を見守りたい。
第325回(7/14~19発売号より)
1位「『皇室典範改正』に秘めた狙い――安倍首相『改憲へ“追い風”を!』」(「女性自身」8月2日号)
2位「永六輔さん 『弱者の目線で、マイクの向こうのひとりひとりに語りかけなさい!』」(「週刊女性」8月2日号)
3位「錦織圭 年収34億円でも超堅実セレブ生活の裏に――子供たちの夢叶える錦織財団を作る!」(「女性自身」8月2日号)
7月13日、NHKがスクープした天皇陛下「生前退位」の意向は大きな衝撃だった。
もちろん皇室御用達「女性自身」では、「生前退位」に関する特集を掲載している。トップ記事が「『生前退位』ご決意にあった美智子さま『愛のご助言』」特集だが、問題は第2特集として掲載されている安倍首相絡みの記事だ。
今回突然浮上した「生前退位」の背景について、「自身」は2つの説を紹介している。それが「改憲への追い風説」と「陛下が身をていして安倍政権を止めた説」だ。記事では前者について大きく誌面が割かれている。
今回のNHK報道は安倍政権がタイミングを見計らったもので、皇室典範の改正をきっかけに、天皇を象徴と定める現行憲法の改正議論に持っていこうとしているという。しかも改憲派にとって、これまで憲法を守ることを生涯の信念とされた陛下が退位されれば「憲法改正の邪魔者がいなくなる」、というもの。つまり、先の参院選で改憲勢力が3分の2を超えた安倍首相にとって、改憲へ向け絶好のタイミングで、都合のいいものだったというものだ。
これに対し、記事ではジャーナリストの田原総一朗氏のコメントとして後者の説をこう紹介している。
「今回、陛下が身をていして“安倍政権の暴走を止めた”という説もあります」