警察からも頼られる新宿二丁目のママが語る、老舗ゲイディスコが50年続く理由
■新旧交代が進む二丁目で変わらない安心感
開店は夜10時からとなっているが、深夜営業なので開店時間はまちまち。開いてなかったら、そのへんのゲイバーで時間をつぶしてから行こう
紫苑さんと話をしていると、フラリと男性が入ってきた。常連のようだ。開店から1時間ほどたっていた。パッと見、40代前半のガタイのいいイケメンだった。
――今、取材をさせてもらってます。今日は仕事帰りですか?
「そうです、紫苑さんの様子を見に(笑)。うそです、何軒かはしごして、最後がここです」
聞くと、もう5、6年通っているという男性は、サラリと「僕もゲイなんですけどね」と言う。職場も家も近所で、今日はたまたま平日に来たそうだ。
そのうち、明らかに酔っ払った女性と、その女性を介護するように男性が入店。どちらも40~50代。女性がテキーラを頼んで奥のソファで踊り始めた。が、酔っ払って足元がおぼつかない。紫苑さんはそんな彼女を見て「酔っ払いすぎよ、今日は帰りなさい」とやさしい言葉をかけていた。
――ここがなくなったら困る人がたくさんいるんじゃないでしょうか。
「そう思ってもらえたらうれしい。ここに来ればいつでもニューサザエがある、紫苑がいるという、安心できる場所にしたいですね。今年は9月に50周年パーティもあるので、楽しみなんですよ」
同時期にできたディスコ「MAKO」は現在カラオケバーとなった。紫苑さんは「どんな時代になっても、ここは“ディスコ”よ」と言う。新旧交代が進む二丁目で、ゲイバーではなくディスコとして営業し続けてきた、変わらない安心がここにあるのかもしれない。
(宝丸)
ニューサザエ
東京都新宿区新宿2-18-5 石川ビル2F
03-3354-1745
平日:開店0時前後、閉店5時
休前日:開店0時前後、閉店7時
入店時1ドリンク1000円
キャッシュオンデリバリーで、ドリンク、フードともすべて700円
9月16日~18日に50周年パーティを開催