選挙とダイエットの深い関係 多忙な秘書は痩せたり太ったり、白髪が増えたり……
国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。
■選挙中、太る秘書と痩せる秘書がいる
参議院選挙も終わり、全国の選挙区に応援に行っていた秘書たちが永田町に戻ってきました。廊下で会う衆議院議員の秘書同士の会話は、「どこに飛ばされていたの? 私は、北海道だよ」とか「私は議員会館に残っていたけど、毎日4時起きで朝の街頭演説を手伝っていたんだよ」などと、選挙の苦労話でもちきりですが、なんせ参議院のお手伝いの立場。当落も直接は関係なく、責任感もないので気が楽です。
それよりも、「あなたはどっち? プラス? マイナス?」とお互いに体重の増減を気にする会話が繰り広げられています。
なぜかというと、選挙期間中に太る秘書と痩せる秘書に分かれるからです。朝から晩までバタバタなので、食事や睡眠も不規則になってしまい、食欲は落ちるかドカ食いするかになってしまうのです。この1カ月の間で、体重がプラスになって戻ってくる秘書、マイナスで戻ってくる秘書と、タイプが分かれるのです。
天気のいい日も多かったので、日焼けした秘書もたくさんいます。さすがに帽子にサングラスにストール、という完全防備の姿でビラは配れませんからね。それから、白髪が目立つ人も増えます(笑)。ヘアサロンに行く時間も取れず、休みなく頑張っていた証拠ですね。しばらくは、ダイエットと美白の話題が続きそうな永田町の女性陣です。
■ベビーシッターに30万円かけて頑張るママさん秘書も
とはいえ、選挙が終わったところで安心はできません。軍資金(選挙の費用)を管理していた秘書たちは、選挙後7日以内に選挙運動費用の収支を選挙管理委員会へ提出しないといけないので、またまた徹夜作業が続きます。一定の期間が経過すると選挙運動費用収支報告書は公開されるため、マスコミからの細かい突っ込みを受けないよう気をつけながら?(笑)作業を頑張っています。
選挙運動費用収支報告書は、通常の政治団体の収支報告書と異なり、1円以上の領収書を添付しなければならないため、作業量が膨大です。選挙期間中は、毎日出納帳を更新する余裕はないことが多いので、選挙が終わってから1カ月分の会計をまとめてするのです。会計専門のスタッフを用意できる陣営はまれですし、秘書は「何でも屋さん」なので、どんな作業もさせられます。
当事者だった参議院議員の秘書たちは、選挙期間だけは、小さい子どもがいようが、親の介護が必要だろうが、自分のボスの選挙区で必死に活動しなくてはなりません。実家に子どもを預けて頑張るママさん秘書や、保育園児の子どものベビーシッター費用に1カ月30万円かけてまで頑張るママさん秘書もいましたよ。その費用は……というと、もちろん永田町では「自腹」になります。そのあたりの事情は、また別の時に。
やっと(いつもより1日多い)18日間のながーい参選挙が終わり、ほっと一息つきたいところですが、次は東京都知事選挙が待っています。しばらくは、選挙活動が秘書の仕事の中心ですね。7月31日の投開票が終わるころには、また永田町の女性陣たちの体重が増減することになります。
果たして神澤はどちらになるのでしょうか……? これからも、みなさんに永田町の「謎」をお届けするため頑張ります。