「男に媚びないメイク術」こそ、最も男に媚びている!? 矛盾はらむ「BAILA」の“いい女”
■“媚びない”河北メイクの真相
今月の連載「転ばぬ先の30歳美容」は、「『媚びてないのにイイ女』をつくる河北メイクAtoZ」です。恥ずかしながら筆者、書店などで『河北メイク論』(ワニブックス)なる本が売れているなーとは思っていたのですが、ぶっちゃけ河北麻友子のエッセイ本かなんかだと思ってました。自身の情弱ぶりに苦笑いです。
なんでも河北メイクは「男目線のモテメイクで人気爆発」だそう。近年人気のメイクアップアーティストというと、オネエ系のあの人や、オネエ系のあの人や、オネエ系のあの人が思い浮かびますが、河北さんはオネエではないそう。確かに“男目線”に説得力がありますが、「近頃は1歳になる愛息子と電動自転車に首ったけ」というコメントには、不思議と男の“あざとさ”を感じてしまいます。
そんな河北さん、「男も馬鹿じゃないからね。媚びてるメークはすぐバレる」という言葉に始まり、かなりの河北語録を残していかれました。一体何がバレるんだ!? っていうか、媚びたらいかんの!? と不思議がいっぱいです。
その語録を見ていくと、「抜け感なしのメークは男の夢を打ち砕く!」「平行な眉尻と美しいまつげに知性は宿る」「わかりやすいセクシーはNG。ほのかなセンシュアリティを醸して」などなど……。ちょっとこれ、ただ単に河北さんが知的美人好きなだけなんじゃ? どうしても、自身の趣味全開で話しているようにしか思えません。結局、河北メイクを実践している女が、一番男に媚びているんじゃないかしら? と思わせるマッチポンプ特集でした。
■最新フードの落とし穴
毎回、テーマごとにおすすめフードを紹介してくれる「食いしん坊ジャーナル」、今月号のテーマは「女子とビーツ」。なぜ「女子と」が入ったのかはさておき、「ココナッツオイルにスーパーフード、…世の中にはファッションと同じく“きれいになれるフード”が続々登場し、巡っている。『次にくるのはコレ!』と断言したいのが、モデルの野崎萌香ちゃんもハマっているビーツ!」といいます。ビーツというと、“ボルシチに入っているやつ(ボルシチ食べたことないけど)”というイメージですが、最近はコールドプレスジュースにしたり、ケーキにしたりとお菓子の分野でブームのようです。
確かにピンク色で見た目のインパクト大で、インスタグラム映えもよさそう。しかも「かぼちゃやさつまいもに通じる滋味深さ」「飲む血液というほど栄養豊富」というのだから、なんだか今すぐビーツを食べなきゃ損な気がしてきました。しかし、近所の西友にはビーツはもちろん関連商品すら売っていない状態……! ビーツを売っているお店から探してみようと思いますが、「BAILA」はリアルクローズのファッション誌なのだから、食べ物もリアル目線でお願いしたいところ。
というわけで、過去の“ギャル写真”がきっかけで大成したカトパンに、媚びないメイクを追求しすぎて媚びてしまっている河北メイク、流行といいながら西友で売っていないビーツ……と、バイラーズの裏をかきまくる読み物が満載だった「BAILA」7月号でした。
(ルイーズ真梨子)