去年道端でカニエ・ウェストにラップを披露した男が、カニエの後押しでデビューアルバムを発売!
「TMZ」によると、カニエは実際にキャメロンに電話をかけ、ミーティングに来るよう声をかけたとのこと。ミーティングで、カニエは自分が信頼するプロデューサーのアンソニー・キルホファーを紹介し、すぐ、デビューアルバムについての話し合いがスタートしたという。アンソニーはカニエがグラミー賞を獲得したアルバムを手がけ、カニエのほかにも大物アーティストをプロデュースしてきた業界の大物。そのアンソニーにプロデュースさせるということは、相当な期待をかけている証拠だろう。
キャメロンのデビューアルバムのタイトルだが、『コカイン・フェラーリ』というハードコアな匂いがぷんぷんするもの。このアルバムに収録されている「Never Bout Us」という曲が、現地時間18日にYouTubeで公開されたのだが、無名アーティストでありながらも、すでに5万回近く再生されている。
「TMZ」のコメント欄には、「マジで!?」「カニエ、最高!」「やることはちゃんとやってる。みんなカニエの才能を見くびってる」とカニエを絶賛する声、「もともとキャメロンはデビューする予定で、宣伝とカニエのイメージアップのために、あんなことをしたんじゃないか」とやらせを疑う声、「パパラッチのカメラの前だから、あんなことしたんでしょ。で、引っ込みがつかなくなったんじゃない」とディスる声、さまざまな意見が書き込まれている。
実は、カニエ。2009年にも、同じようにアプローチしてきた夢見るラッパーと契約を結んでいる。そのラッパーこそ、ビッグ・ショーンなのだ。ラジオに出演していたカニエの出待ちをし、最初は「聞かない」と断れたものの、しつこく頼み込み「じゃ、16秒でオレを説得してみろよ!」とチャンスを与えられたのだ。ショーンのあまりにも見事な即興ラップに、カニエは感心し、16秒は10分となり、契約を約束してもらったのである。カニエはその時のことを、「まるで映画みたいだったね。ショーンの即興ラップからは、彼の人柄や性格や個性が聞こえてきたんだよ。速攻で“オマエと契約する”って決めたね」と回想している。
一方のキャメロンだが、動画が撮影されてから間もなくして受けた米音楽サイト「Okayplayer」のインタビューで、「チャンスはどこに転がってるかわからない。誰に会うかわからないから、いつも自分の連絡先を書いたカードとパフォーマンスを収めたUSBを持ち歩いているんだ」「あの夜は、いろいろな場所を回って、Twitterでカニエがビッグ・ショーンのライブに出てるって知ったんだ」「オレは、カニエにラップを聞いてもらおうと出待ちしてたのさ」と説明。「で、最初はちゃんとした言葉でアプローチかけたんだけど、振り向いてくれなくて。それで、“フ●ック! 今すぐラップしてやる”ってポロッと言ったら、振り向いてくれたんだ」「カニエは、ずっと前から、ハングリーな奴にチャンスを与えてくれる男として知られてきたしね」と語った。
このインタビュー時点では、カニエからの連絡はなかったそうだが、キャメロンは「カニエにラップを披露した男」としてネット上では有名人になっていた。悪評もあったが、「TMZ」で報じられたことによりファンを獲得し、「オレが輝く機会を与えてくれたカニエに感謝する」と発言した。また、「この勢いでメディアに露出しろと勧める人もいるけど、それはちょっと違う。オレのゴールは音楽業界で成功することだしね。オレのことを撮影して広めてくれた『TMZ』には感謝するけど、オレはただカニエにラップを聞いてもらいたかっただけなんだ。世間の注目を集めるのが目的じゃなくてさ。カニエも、こういうこと嫌いな人だしね」「カニエのもとで働かせてもらえたら、いろいろ学ぶことができる。カニエから連絡がなくても、いつも通りに修業するのみさ」と前向きな姿勢を見せていた。
カニエがこのインタビューを読んだのかは不明だが、ネット上で騒がれても調子に乗らず、硬派な態度を貫くキャメロンは、カニエが気に入るタイプ。ビッグスターになれると確信したのかもしれない。
「若者にチャンスを与えるカニエは素晴らしい」とたたえる声も多数上がっているが、はたしてキャメロンは、白人ラッパーの頂点に君臨するエミネムのようにスターダムに登り詰めることができるのだろうか? 今後が楽しみである。