6月20日「世界難民の日」に、表参道で難民について考える

“所持金60円のホームレス状態”から“東大の学生”まで 日本で暮らす難民の現状

2016/06/18 17:00

◼2015年の難民申請者数7,586人のうち、認定されたのは27人のみ

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父親が日本で難民認定されなかったせいで、シリア人母子は、2年半も来日を拒まれていた

――難民の支援を行う機関UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)も、日本における難民認定の厳しさを指摘しています。ほぼ全員が認定されないのは、なぜでしょうか?

田中 世界情勢が複雑化して難民が生まれる背景も変化している現実に、日本は対応できていないんです。“共産圏から西側諸国に逃れる”など狭い定義の「難民」しか、認定されません。例えば、セクシュアル・マイノリティとして迫害された方が、認定されたケースはゼロですね。さらに言えば、日本の根本課題は難民政策が不在なこと。方針がないので、審査する法務省も受け入れを進めようがないんです。

野津 申請書類も厳しいですね。日本では、拷問の傷跡や、ジャーナリストであれば書いた記事など迫害された証拠を出して、「自分は難民だ」と証明する必要があります。しかし出国時に証拠資料を持ち出すのは危険なこと。証拠を燃やして来た方もいて、証明は困難です。日本語ができないのに、日本語で大量の書類を作るのも大変で……。認定されるのは、弁護士や翻訳家のバックアップを受けられた一握りの方のなかの数人です。ほとんどの方にはチャンスがない状態です。2015年の難民申請者数7,586人のうち、認定されたのは、シリア、アフガニスタン、エチオピアなどの27人のみでした。

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