夏バテに最適の3品

「栄養なさそう」は勘違いだった!? 管理栄養士が明かす「実は体にいい食品」とは?

2016/06/26 16:00

 ただ、普通一度に、焼き海苔を100gも食べません。1枚3gと考えると、1食で摂取できる量は限られますが、ちぎって焼き海苔和えなどの和え衣にしたり、お吸い物の具にしたりすると、かさが減って、1食で2枚くらいは食べられるのではないでしょうか。また毎日食べても飽きない味わいなので、焼き海苔は「毎日コンスタントにいろんな大事な栄養を取り入れやすい食材」であると言えます。

――もやしは安価なので、金欠のときに重宝するというイメージはありますが、どういった面で体にプラスなのでしょうか?

大柳 もやしは低カロリーなので、大食漢の方の“かさまし食材”におすすめです。またシャキシャキした歯ごたえは早食い防止にもおいしく役立ちます。 豊富な「食物繊維」は、腸内環境を整え、糖質の吸収をゆるやかにし、発がん性物質など腸内の有害物質の排泄を促進します。その他、糖質をエネルギーに変えるときに欠かせない「ビタミンB1」、赤血球の産生に不可欠な「葉酸」、「強い骨づくりやイライラ防止にも役立つ「カルシウム」、高血圧の予防に役立つ「カリウム」など、もやしにはビタミン、ミネラルが幅広く含まれています。

 さらに、もやしは、発芽の過程で「ビタミンC」が合成されるのも特徴です。コラーゲンの合成に不可欠で、美肌や丈夫な血管づくりに欠かせないだけでなく、ストレスで消耗される栄養素でもあります。現代人は、精神面だけでなく、冷暖房完備による寒暖の差、紫外線、電磁波、たばこなど物理的ストレスにさらされる機会も増えています。現代人に不足しがちな栄養素を含み、肥満防止に役立ち、低カロリーで、安価で、料理のバリエーションも広げやすいもやしは、健康をおいしくキープできる頼もしい食材と言えます。

――もやしは、一般的にゆでて食べますが、それによって栄養素が失われることはありますか?


大柳 「ビタミンC」や「ビタミンB1」などの水溶性ビタミンは、水洗いや加熱調理による損出が大きいと言われています。「カリウム」も煮た場合の損失は約30%と言われています。そのため、さっと水洗いしたのち、ゆでる場合は、熱湯でさっとゆでたり、蒸し器やレンジを上手に活用し、蒸していただくのもおすすめです。

――発芽玄米など、数年前から“発芽ブーム”が広がっていますが、発芽野菜も体にいいのでしょうか?

大柳 発芽の過程で、栄養価が高くなったり新しい栄養素が合成されます。例えば、大根と発芽野菜のかいわれ大根の栄養価を比較すると、「たんぱく質」は約5倍にアップ。新芽になる過程で発生する活性酸素を消去するため「抗酸化ビタミン」ともいわれている「ビタミンC」も、約4倍にアップ。かいわれ大根100g中に含まれる47mgの「ビタミンC」は、キウイフルーツに匹敵する量です。また、「ビタミンB群」も、かいわれ大根になると倍以上に増えます。ビタミンA、K、Eにいたっては、大根には0。発芽によって栄養素が合成されます。

――あの細長いかいわれ大根に、そんなに栄養素が含まれているとは思いませんでした。

大柳 かいわれ大根は、種を取って、皮をむいて、加熱してといった調理の手間がなく、食べたい時に根を切って新鮮な状態で食べられるのも楽ですよね。夏バテ防止に、今回紹介したような“実は栄養価の高い食品”を毎日の食卓で楽しんでみてはいかがでしょう。


最終更新:2016/06/26 16:00
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