出演フェスが中止となったカニエ・ウェスト、たぎったままゲリラライブを計画もファンが集まりすぎて頓挫

　これを受けて、ウェブスター・ホールはTwitterの公式アカウントで、「ショーはないですよ。どうぞ、気をつけて帰ってください」と発表。ファンは怒りを炸裂させ、現場は一時騒然となった。しかし、真夜中であることから、暴れ続けるほどのパワーが残っていなかったのか、警察に帰宅を促されると、その場を去る者が続出。大きな暴動には発展せず、警察は事態の収拾に成功した。

　しかし、そんな中でもカニエは「どうにかして、ファンにパフォーマンスを見せてやりたい」という使命感に燃え、スピーカーやマイクなどを手配し、「そこにあるトラックの上に乗ってパフォーマンスすりゃいいじゃないか」などと無茶な提案を連発。その様子をキムが逐一Snapchatで公開していたが、ネット上では「なにをしても無理なのに」「もうやめてくれ。眠い」・・・・といった、むなしい空気が流れていた。

　あきらめきれないカニエは、車でウェブスター・ホールを訪れ、サンルーフから身を乗り出し愛想を振りまいたが、多くのファンが去った後だったので大騒ぎにはならずに済んだ。カニエは別の場所にも車を停車させ、サンルーフから身を乗り出しており、最後の最後までゲリラライブをできそうな場所を探していたそうだ。

　キムは、Twitterで、「カニエは本当に手を尽くしたの。でも、そんな彼でも制御不能な状態になってしまって！　彼のファンは本当に世界最高のファンだわ」「午前2時に集まってくれたみんな、ありがとう。できなかった電撃ライブの代わりに絶対になにかするって約束するわ」とツイート。理解を呼びかけた。

　翌朝には、ニューヨーク市長のビル・デブラシオが、カニエとキムに向けて「ぜひ、ニューヨークの道を封鎖し、ブロックパーティーを行ってくれたまえ」とツイートしていたことが報じられた。ビルは、カニエの「道を封鎖してパーティーを行う」という提案には賛成だったものの、深夜ゆえカニエからのメッセージがリアルタイムで伝えられず、指示を出せなかったという。騒動が起こったのは深夜だったため、カニエの電話番号を知らないビルがTwitterで呼びかけたのだ。ビルは、ブロックパーティーでニューヨークの恵まれない子どもたちへの寄付金を募ることを条件に出しているが、カニエのファンは「さすが、ニューヨーク市長をもうならせる男！」「大統領選に出ると宣言するだけの男！」と大喜びした。

　自分を神と公言するなど、“究極のナルシシスト”と呼ばれているカニエは、天才がゆえに万人には理解しにくい言動が多く、変人扱いされることが多い。しかし、今回、SNSでチラチラと情報を出しただけで、短時間にこれだけ多くのファンを集められたことで、世間も「本人が言う通り、その世界では神のような人なのだろう」とカニエを見直したようだ。今回の騒動は、リアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』で紹介されると見られており、早くも「待ちきれない！」という声が上がっている。