レンタルできる“彼氏”と“執事”が見た、女の「しんどさ」と「欲望」の形
■レンタル業界の幅が、女性の悩みやニーズを映してる
――自分は本当に何をしたいのか、何を求めているのかといった主体性を“彼氏”で培って、“執事”に自分の要望を伝えるという流れが起きたら、レンタル業界が盛り上がりそうですね。
桜井 レンタル業界全体で言うと、メディアがこぞって取り上げていた2~3年前がピークで、そこからメディア露出が減った今は、盛り上がりもサービスの数も、ぐんと下がってきている現状があります。
須賀 そうですね。でも僕らは、レンタル業界の幅や種類はまだ考えられると思って、このレンタル執事を始めました。ほかのレンタルサービスとは差別化された存在として刺激を与えつつ、いろいろな業態があることで利用するお客さんも増えて・・・・と、業界全体が再び盛り上がることを望んでいます。まだまだ伸びしろはあると思いますね。自分たちのサービスによって、多くの女性の悩みやニーズが明らかになっていく面もありますから、それが結果的に社会貢献にもなっていくのかなとも考えています。たまに「60代のガチの執事はいないのか」という意見をもらうので、今後はそういった世代の執事の採用も考えているんです。もちろん、50代以上でレンタル執事をやりたい男性がいるのか? という懸念もあるんですけど。
桜井 執事さんは、皆さんがマナーに長けているイメージなので、これからそういうニーズはどんどん増えていきそうですよね。コンセプトが、はっきりしていますし。
――お2人は女性の欲望を近くで感じ取って接していますが、今後の女性はどう変化していくと思いますか?
桜井 今後は、女性の自立がテーマになってくると思います。男性に依存したいのではなく、自立したいという女性の背中も、僕たちは押していきたいです。デートで気軽に女性の悩みや話を聞く。そして女性の本当にしたいことや自分自身の生き方を促す。女性の自立や主体性を培う要素の1つに、レンタルサービスがなっていくことはできるんじゃないかと思います。
須賀 女性が本当の意味で「強さ」を発揮できる時代になっていくと思います。若い男性は草食化が進んでいるのを、面接などを通じて実感していますね。 普段から女性と接していて、男性にはない「頭の良さ」だったり「思いやり」を感じることが多く、そういった「女性らしさ」「強さ」を生かせる時代に、ますますなっていくのではと思います。そんな女性の方たちのそばに、執事を置いてくださればと思います。
(石狩ジュンコ)
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