[女性誌速攻レビュー]「BAILA」6月号

「BAILA」読者、困惑!? アラサーファッションに無駄な親切心を発揮する男たち

2016/05/28 16:00

■だいたひかる、今なにやってんだろう……

 今号には特別企画「中村アンへの質問 100問100答!」が掲載されています。100って結構な数ですが、この100問は「BAILA」の公式サイトとSNSで募集したものだそうです。みんな中村アンにそんなに聞きたいことがあったのかと、びっくりしました。

 しかし内容は……詳しく見ていくと、案の定後半は「それ本当に訊きたいの?」と思わせる質問がちらほら。中でも「バスタオルを替える頻度は?」は、それ訊いてどうするんだ!? と思わずにはいられません。「ちゃんと毎日洗って替えてます!!」というアンの返しもジワジワと笑いがこみ上げます。さらにエッジが利いているのは、「親友がいないんですが、どうやったらできますか?」という問い。なぜそれを中村アンに訊こうと思ったのか……。正直トリビアですらない、正真正銘使えない中村アン知識が増えちゃって、ただただ活字を追いかけてしまったことに後悔の気持ちでいっぱいです。せめて、だいたひかるあたりにネタとして使ってもらえることを祈るばかりですが……。どーでもいいですよ♪

■ジャケットという正義

 今号は着回し特集が2つあります。そのうち異彩を放っていたのが「ミステリー作家失踪事件 走って動いて謎解き着回し12days」。タイトルからすでに胸焼けしそうな感じですが、どうやらこれは映画『探偵ミタライの事件簿』公開記念コラボのよう。なんと原作者の島田荘司プレゼンツとのこと! ……説明を聞いてもやっぱり「何事か」という印象が否めませんが、温かい目で見守ってあげましょう。内容は、文芸編集者の絵美里が“「失踪中」という置き手紙を残して消えた島田先生”と“原稿”を12日間かけて探すというストーリー。12日間の失踪って! あののりピーでさえ5日間の失踪だったというのに……。今までも、無職からスパイに転身したり、クリスマスに年下男と映画に行って普通に帰ってきたり、意表を突く設定が度々見られてきた絵美里の着回しストーリーですが、ここまで頭になにも入ってこないのも珍しいです。


 ちなみにこの『探偵ミタライの事件簿』の主演は玉木宏。この企画の中でも絵美里の知り合いの名探偵として少しだけ登場します。知り合いって……。「絵美里は何者なんだ」という読者の突っ込みをさておき、一介の文芸編集者・絵美里はミタライ教授のアドバイスで島田先生を探しに行きます。ここで、今回着回す「機動力とおしゃれを兼ね備えたワードローブを紹介♪」となるのですが……誌面に並ぶのは、いつにも増してカジュアルなアイテムばかり。いくらなんでも、フード付きのブルゾンを「通勤にも似合うシックなデザイン」というのは無理があるでしょう。ストレッチのスキニーデニム(ウォッシュ加工)の出で立ちの初日には、「大御所の作家先生にお会いする日。きちんとジャケットを着てきたのに!」というコメントが。幸いにも作家先生は失踪中だったので事なきを得ましたが、ジャケット必須の相手に対してスキニーデニムとは中々の度胸です。文芸編集者がどの程度の服装なら許されるのか筆者は存じ上げませんが、少なくとも「BAILA」読者の大半にスキニーデニム(ウォッシュ加工)での勤務中の外出は許されないのでは?

 というわけで、情報が錯綜していたり、どうでもよすぎたり、破天荒すぎたりと、「ガチで使えない情報」が満載だった今月号の「BAILA」。ふろくは各ハイブランドのアイコンアイテムを紹介した「エターナルブランド・アイコンBOOK」。プチプラの「週4ブランド」好きなバイラーズにとっては、こちらもまったく使えなさそう……。残念!

 そういえば「BAILA」のキャッチワードは「ワタシを惹きつける。モノがうごく。リアルにひびく。」らしいのですが、ここまで「響かねー!!」と思える号も珍しいのではないでしょうか。次回からは、もう少し「為になった」と思える内容であることを期待しています。
(ルイーズ真梨子)

最終更新:2016/05/28 16:00
『BAILA(バイラ)2016年6月号[雑誌]』
中村アン、そんなにバスタオルの質問にムキにならんでも