日本最大の「寺社フェス」に女性が殺到! 仏教や伝統文化が女性を癒やすワケ
「普段の生活や、生き方そのものを、少し楽にする手がかりとして、仏教や日本の伝統文化が求められているのではないでしょうか」と語るのは、青江覚峰住職。ゴールデンウィークに行われた寺社フェス「向源」を主催するひとりだ。
「向源」は仏教、神道をはじめとした日本の伝統文化を体感できるイベントで、6回目を迎えた今年は、日本橋や増上寺を会場に、およそ1万5,000人が来場する見込みだ。この数は、年々増えている。
「東日本大震災を機に『向源』は始まりました。人生、明日どうなるかわからないということを、誰もが3.11で実感したと思います。熊本の震災でも同じことを感じたでしょう。そんな不安と向かい合って生きていくために、仏教や、日本が紡いできた文化を役立てたいと考えたのです」(青江住職)
■参加者の多くは20~40代の女性
日本橋川をクルーズする船上茶会 (c)向源3.11をきっかけに、仏教や神道に代表される日本の伝統がクローズアップされてきた。「寺社ブーム」は女性を中心にすっかり定着し、さまざまなイベントが行われている。その中でも「向源」は日本最大級の催しだ。
100を超えるワークショップは、いずれもユニーク。会場近辺のレストランとコラボして、精進料理のフュージョン・メニューを楽しんだり、手ぬぐいで御朱印帳をつくったり。
紙漉きの体験教室に来ていた40代の女性は、和装だった。「日本の良さを見直したくて」と、いくつものワークショップを、はしごして楽しむそうだ。気軽に日本の伝統に触れられる機会でもある。
会場のひとつ日本橋のたもとからは「船上茶会」の船が出た。日本橋川をクルーズしながら、茶道家が一杯一杯立ててくれたお茶を味わう。埼玉から参加した30代の女性は「年を重ねるにつれて、日本の良さが染みるような気がします。いま外国からの観光客が増えていますが、外国人にも知ってほしいと思います」と言う。
また、歌うようなお経に力強い太鼓の響きを合わせたライブショーなど、独創的な公演にもたくさんの観衆が詰めかけた。
参加者の多くは20~40代の女性だ。どうしていま、仏教を中心とした「和」が、女性の心に響くのか?
「ヨガブームをきっかけに座禅を学ぶ女性が増えたり、マクロビから精進料理に興味を持つ女性が増えたりと、生活の中にすでに仏教的なものを取り入れており、日本の伝統を受け入れる土壌があったのだと思います」と青江住職は言う。
「伝統文化も、そのままでは古臭いだけで見てもらえないかもしれない。でも見せ方、伝え方を工夫すれば、面白いと思ってもらえる。それが『向源』のワークショップです。反応してくれたのは女性たちでした。アンテナを張って情報を得ていったり、好奇心をもって知識を吸収していったりと、女性のほうが感度が高いのかもしれません。『向源』をツイッターなどの口コミ、SNSで知ってやってくるのも女性が中心です」(青江住職)
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