「婦人公論」が断捨離から離脱! 捨てない「収納」特集で見えた“ため込んだ人生”との向き合い方
今号の「婦人公論」(中央公論新社)、表紙はテニスプレイヤーのクルム伊達公子です。90年代に世界ランキング第4位まで上りつめた実力者は26歳で一度引退、そして37歳で再び現役復帰を果たし、現在45歳。今年1月の全豪オープン中に左ひざの半月板が断裂し、「(現役生活を通じて)体にメスを入れる経験は初めて」という手術を経て、再びコートに立つためにリハビリの日々を送っていると言います。
「『痛み』ごときでやめる気はさらさらありませんでした」と話す伊達。当たり前のようにケガや痛みと付き合いながら続けてきたテニスをひざの手術をしてもまだあきらめきれない……会見であからさまに不快な顔を見せたり、コートでイライラを爆発させたり、日本人では珍しいくらい自己主張が強いイメージの現役時代でしたが、このインタビューを読むとそのくらいのタマじゃなきゃ世界で戦っていけなかったんだろうなとしみじみ思います。
「アスリートとしての人生と女性としての人生の両方を、同時進行で生きられたらどんなにいいだろう。両方を求めてはいけないと思いつつ、体が2つあったらいいのにと思います」。アスリートを他の言葉に言い換えれば、誰にでもこの言葉は突き刺さるでしょう。両方求めてもいい社会になるのはいつのことやら。
<トピックス>
◎クルム伊達公子 45歳、納得できる終わりかたは
◎特集 スッキリ暮らす整理と収納
◎長生き時代のご近所づきあい
■桐島洋子の骨董品、おっかなくて触れません!
今号の特集は「スッキリ暮らす整理と収納」です。「気がつけばモノが増えている家のなか。季節も夏に向かう今、さっぱりさせませんか」と、片付けと夏を無理やり関連づける力技が光ります。「婦人公論」といえば、「捨てろ捨てろ夫も捨てろ」という極端な断捨離でおなじみですが、このところ少し風向きが変わってきたよう。
特集の冒頭インタビューで女優・高島礼子が「なかなか『捨てられない』タイプ」ということを公言していたり、「紙袋やダンボール、割れ物を包んであったプチプチも。いつか使えるんじゃないかと思って(捨てられない)」とババアあるあるを披露していたり。「何もないシンプルな部屋もステキだろうけれど、私たちの場合、好きなものに囲まれているのも、また幸せなんですよ。捨てるもの、収納するもの、そして、見えるところにいつも置いて愛おしむもの――そのバランスが大事なんですね」。