コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」
「ちょっと可愛いオバチャン」を演出する、ベテランアナ・安田美香のいやらしさ
2016/04/14 21:00
安田はコートの下がパジャマであったと話したが、伊集院は「コート姿で洋服着てくるの忘れましたって言ったら、変質者だよね」とコートの下が裸であるかのように会話をふくらませた。『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)においても、この事件は取り上げられた。田中裕二は「パジャマで来ちゃったんだって」と笑い、太田光は「どうせなら、素っ裸で来てほしかったね」とオチをつけた。シモネタに解釈できるボケを振り出すあたり、安田の年の功と言えるだろう。が、その一方で気持ち悪いのである。オトコがその嘘くささに気づかないことと、ベテランの域にいるオンナがそれを処世術として行使することが。
ちなみに伊集院がアシスタントの条件に掲げたのは、「まともじゃない、雑」なことだという。雑で仕事が来るほど甘い世界とは思えないが、とりあえず言えるのは、“天然”と“シモネタ”がうまく使えるベテラン天然は、結構需要があるということだ。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
ブログ「もさ子の女たるもの」
最終更新:2016/04/14 21:00