藤原紀香は“自分に萌える”女――愛之助との結婚会見にほとばしった「尋常ではない自己愛」
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の芸能人>
「意外と亭主関白なんです」藤原紀香
(片岡愛之助・藤原紀香結婚記者会見、3月31日)
歌舞伎俳優・片岡愛之助と藤原紀香の結婚記者会見、一番の見どころは、紀香が壇上に上がる際に愛之助に手を引かれて上がったところではないだろうか。初婚時の結婚衣装の十二単、美智子さまを模したとしか思えない小さな帽子など、私はかねてより、紀香は“脳内皇族”であるとみているが、愛之助に手を差しのべられて、ゆっくりと壇上に上がる姿は、行啓中の天皇陛下と美智子さまのお姿とだぶる。紀香はとうとうロイヤルを達成したのである。
2回目の結婚で、紀香は完全なキャラ変更を遂げた。初婚時の相手・陣内智則は紀香と暮らすため、大阪の仕事を整理したという。また『オーラの泉』(テレビ朝日系)に出演した際、「占いで子どもを持つと苦労すると言われて、紀香が消極的だ」とも話していた。しかし今回の結婚では、紀香は「優先順位は彼」と語り、「彼の子どもを産みたいのが女心」と正反対の発言をしている。さらに、陣内との離婚は女性問題が原因とされているが、今回は「歌舞伎役者には、色がないと」と容認発言までしているのだ。
初婚時と再婚時、紀香の態度は正反対に思えるが、よく考えてみると、案外似たようなものなのではないかと思えるのだ。実は相手が自分より“上”か“下”かは問題ではなく、紀香は “こう思われたい自分”を一番よく引き立ててくれる結婚相手を選んでいるように思えるのだ。
例えば、陣内。女優の結婚相手といえば、イケメン俳優か青年実業家、プロデューサーなどが定番であり、“お笑い芸人”との結婚は稀で、当然インパクトもすごい。明石家さんまクラスならいざ知らず、陣内となると、紀香は「外見や金でオトコを選ばない、心のキレイな女」と称賛を浴びることができる。
また、紀香は『藤原主義』(幻冬舎文庫)において、友人に「みんなにいい子と思われたい」、つまり褒められたい性分を指摘されたと書いていたが、“梨園の妻”というのは、かなり“褒められる”ポジションである。後援会に認められなければ結婚はできず、家のことの一切を引き受け、後継者を養成し、浮気されても我慢。お金の管理や時には切符をさばく営業もする。これだけ“大変”なことをするわけだから、それだけで「えらいわねぇ」と褒められる存在だ。さらに夫が大成すれば、妻のステイタスも上がる。ちまちま女優をやっているより、よっぽど褒められる効率が良い。褒められ好きの紀香にはたまらない立場だろう。