コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

爆笑問題・田中との再婚を果たした山口もえに見る、“手に入れる女”の強さ

2016/03/31 21:00
『山口もえのお野菜たっぷり!親子ごはん』(祥伝社)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「いつでも結婚できると思ってると、大体なくなる」山口もえ
『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系、3月29日放送)

 ホントウの友情や愛情は変わらない。過去、現在を問わず、関わりがある人には、いつも感謝をもって接する。

 小説や映画の刷り込みに加え、スピリチュアルの影響で、この2つを掟と思い込んでいる人は多いと思う。しかし、“変わらない”ことにこだわると、逆に友情も愛情も遠のくのではないかと私は思う。

 例えば、3月29日放送の『バイキング』(フジテレビ系)で、30代女性からの「友人の幸せが喜べない自分が嫌い」という相談が寄せられた。相談者「友達の幸せを笑って喜ぶ自信がない。なので、わざと友達を疎遠にしてしまった」そうだ。回答者である住職は、嫉妬というのは誰にでもある感情で、「嫉妬する自分」も肯定してあげると、他人の幸せを喜べるようになると回答した。坂上忍をはじめとした出演者の回答も、おおむね同じだった。

 僧侶も出演者も“嫉妬”というもの、その付き合い方について答えているが、私はこれでは言葉が足りないように感じられる。というのも、「友人の幸せが喜べない」と「友人の幸せが喜べない自分が嫌い」というのは、似て非なるからだ。前者の「友人の幸せが喜べない」は、友人の幸せという“結果”について嫉妬している。友人の幸せが具体的に何を指すかは書かれていないが、自分も同等の結果を出す、もしくは自分のオリジナルの目標を達成すれば嫉妬心を消すことができる。が、後者の「友人の幸せが喜べない自分が嫌い」は、もちろん嫉妬もあるが、どちらかというと「友達の幸福を喜べない自分は、どうなんだろう」と「自分のあり方」について悩んでいるように思えるのだ。

 「自分のあり方」にこだわる人は、自分や相手に真面目に向き合いすぎる傾向がある。相談者の30代女性が、友達とどこで知り合ったか書かれていないが、学校や職場で一緒だったと仮定した場合、年月と共に考え方や環境が変わるのだから、その頃と同じ気持ちで、同じ付き合い方をする必要はないのではないだろうか。悪意で返すのは論外だが、100%純粋な気持ちでなくても、形だけ「おめでとう! よかったね」と伝えれば、それで十分な祝福である。良くも悪くも自分も相手も変わるのだから、そこを認めなければ、つきあいは続かないだろう。

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