元気の秘訣は焼肉、ステーキ、カツサンド! 90歳以上で現役の女性が「肉食女子」の理由
■肉を食べている人ほど、脳血管疾患の死亡率が低い
長年「年をとったら粗食がいい」というイメージが一般には定着していた。しかし、実際には肉やコレステロールを抑える食事が必要なのは、メタボリックシンドロームに陥りやすい40代、50代の話。現在、肉などのたんぱく質不足によって「栄養失調」状態に陥っている70歳以上の高齢者は5人に1人ともいわれている。
東京都健康長寿医療センター研究所の研究部長である新開省二氏は著書『50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい!「低栄養」が老化を早める』(草思社)の中で、「毎日が粗食の人は、多様な食品をとっている人にくらべて、老化のスピードが64%も速い」と述べている。
また、日本応用老年学会理事長の医学博士、柴田博氏は著書『肉を食べる人は長生きする 健康寿命をのばす本当の生活習慣』(PHP研究所)の中で、「肉を食べている人ほど脳血管疾患の死亡率が低い」と明らかにしている。
さらに肉には、ほかの食品では代替できない特異な成分が備わっているとも柴田氏は指摘している。それは、うつや自殺願望を防ぎ、良質の睡眠に必要なセロトニンのもとになる「トリプトファン」、コレステロールの酸化を抑え、動脈硬化に効果的な抗酸化物質「カルノシン」、貧血予防に必須の「ヘム鉄」、人の心を幸せにする成分である「アナンダマイド」、エネルギーの補給や老廃物の代謝にかかわる成分である「ビタミンB1」(豚肉に豊富)などである。
もちろん肉食に偏っては健康を害すもとにもなるし、持病の関係で肉を控えた方がいい人がいるのも確かだ。しかし、肉に含まれるこれらの栄養素は、健康寿命を延ばすためには、非常に効果的といえそうだ。
では、どのくらいの量の肉を食べたらよいのだろうか? 日本獣医生命科学大学の西村敏英教授は、厚生労働省による大人一日のたんぱく質摂取量から考えると、100グラムが理想的な肉の摂取量の目安としている。長く健康で美しい女性を目指すには「肉食系老人」でいることがポイントになるだろう。
(田村はるか)