全裸男の突入に、聴覚障害詐称も!? あなたの知らないアカデミー賞黒歴史
■第50回(1978年) 歌手デビー・ブーン感動のパフォーマンスが……
2013年に行われたネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領の追悼式で、オバマ米大統領ら要人の手話通訳がデタラメだったことが世界中で話題となったが、その35年前、アカデミー賞授賞式で同様の事件が起こった。
1977年に発売した「You Light Up My Life」で一躍大スターダムへと駆け上がった歌手デビー・ブーンが、アカデミー賞授賞式で同曲をパフォーマンス。終了後、司会者のボブ・ホープが、「デビーと、ジョン・トレイシー・ろう者クリニックの少女合唱団との素晴らしいパフォーマンスでした」と説明。手話の女性に合わせて、耳の聞こえない11人の少女が合唱する姿に全米が感動した。
が、すぐに手話はまったくのデタラメだったことが判明。少女たちは聴覚障害のない健康な子たちであることがわかり、大問題に発展した。賞主催者側は、「誰も少女たちがろう者だなんて言ってない」「クリニックの医師が採用した子だ」と苦しい弁解をし、さらなる視聴者の怒りを買うことに。「You light Up My Life」はこの年のアカデミー賞歌曲賞に輝いたが、ケチがついた形となり、デビーはその後ヒット曲には恵まれず、一発屋に終わった。
■第46回(1974年) 全裸男が乱入
出席者が食事やお酒を楽しむ中で授賞式が進行するゴールデン・グローブ賞とは異なり、厳格な雰囲気の中で行われるアカデミー賞授賞式。映画界最高の栄誉とされているため、プレゼンターや司会者も緊張した面持ちでステージに上がることでも知られている。
74年には、司会者のデヴィッド・ニーヴンが、受賞作品を発表するプレゼンターのエリザベス・テイラーを紹介している最中に、舞台袖から全裸の男が現れてピースをしながらステージを横切るというハプニングが起こったのだ。
イギリス紳士のデヴィッドは、呆然とした後、苦笑いを浮かべながら「みなさん。こういうことは、まぁ、いずれは起きることでして……」「しかしながら……興味深いことだとは思いませんか?」と耳をかきながら、「あの男性にとっては自分の秘部を披露することが、生涯唯一取れる笑いなのだ、と考えると」と即興のブラックジョークを飛ばし、会場のざわつきを収めた。
この男性だが、LGBTの活動家で、バックステージにはジャーナリストとして入り込んでいたとのこと。仕込みだという説もあるが、男性はほかの場所でもフルチンになってゲイの権利を主張する抗議を行っていたため、本物の活動家だったとみられている。