ヒット漫画の新トレンドは「トリオ女子」!? 話題作に共通する女の友情の理想型とは?
仕事に恋愛、お金、結婚や将来のこと……。アラサー女子が抱える悩みは尽きないもの。そんな迷えるアラサー女子をターゲットとした漫画は数多く、いまや一大ジャンルを形成しているといっても過言ではありません。そんな中、いま、アラサー女子向け漫画に新たなトレンドが生まれているのをご存じでしょうか。最近の話題作を分析すると、ある共通のキーワードが見えてきます。それはズバリ「トリオ女子」。女の子3人組が主役を張る漫画が注目を浴びているのです。
■本音をぶつけ、叱咤激励し合う30代の3人組
その代表格が講談社のWebコミックサイト「モアイ」にて連載中の『独身OLのすべて』(まずりん、講談社)。おひとりさま30代の3人組が毒と自虐をヤケクソで吐き捨て続ける異色のハイテンションギャグ漫画です。
昨年、Yahoo!モバイルのトップに掲載されたことをきっかけにネットで話題になり、単行本1〜3巻が好評発売中。また人気のおでかけ情報アプリ「るるぶNEWS」とコラボしたり、キャラクターグッズがカプセルトイ化されたりと、アラサー女子を中心に熱い支持を集めています。
主人公は、マラソンで「一緒に走ろうね」と約束したのにまっ先に裏切られるタイプの小心者タマ子、まっ先に裏切るタイプの小悪魔系マユ子、そして途中でトンズラこくタイプの超絶マイペースな肉食系ノブ子の3人。彼女たちは、お互いの傷を舐め合ったかと思えば、一転して塩をなすり込みにかかるような、まぁろくでもない間柄といえます。しかし、容赦なく本音をぶつけ、叱咤激励し合う姿には、「モテ」の戦場で共にサバイブする戦友のような絆さえ感じられ、そこが何だか羨ましくも思えるのです。
また、宝島社の『このマンガがすごい!2016』オンナ編2位に輝いた東村アキコの『東京タラレバ娘』(講談社)も、いわずと知れた「トリオ女子」もの。酒や男で手痛い失敗を繰り返すも必死で夢に食らいつく倫子、美人だけどちょっとおバカでミーハーな香、サバサバ系に見えて実際は誰よりもジメジメしている小雪の3人が、女の幸せを求めてもがき続け、その姿は多くのアラサー女子に笑いと共感と恐怖を与え続けています。
同じくオンナ編8位となった『女の友情と筋肉』(KANA、講談社)は、マッスルでキュートな仲良しトリオ女子を主人公に据えたちょっとシュールな日常系4コマ漫画。クールに見えて情に厚いイオリと、大人しいけど芯が強いユイ、いつも明るくオシャレなマユの3人が、お互いに助け合いながら毎日を頑張る姿に、読者も元気をもらえると評判です。
さらにTwitter発の4コマ漫画『きょうのゲイバー』が人気を博し、今やフォロワー数6万人を超えるTSUKURUの新作『おこげのはなし』(KADOKAWA)も、主人公はトリオ女子。面倒見がいいマリコ、年長者ながら天然おっとり系のエミ、毒舌ヘビースモーカーのメイコ。新宿二丁目のゲイバーに居場所を見いだした彼女たちおこげ3人の生態を、自らもゲイである作者が愛と毒っ気たっぷりに描いています。