カルチャー
マッチョプロデューサー・鈴木秀尚さん×花男子プロデューサー・近藤祐司さん対談

新しいバレンタイン文化の兆し!?  マッチョ業界と花業界の異端児が語る「2月14日」のこれから

2016/02/13 19:00

■業界の概念をぶち壊したい

鈴木秀尚さん

――マッチョの業界の景気はいかがですか? 昨年はものすごいマッチョブームが起きましたね。

鈴木 マッチョブームは、ライザップさんのCMがはやったこともあるんですが、確実にうちが作ったと思います。今回、「マッチョコ屋」として初めてバレンタイン商戦に参戦となるんですが、これまでの「マッチョバスツアー」「マッチョカフェ」「マチョ氷」と比べても、かなりバズると思っています。要はチョコレート屋さんで、チョコの中にプロテインを入れまして、もう少し鍛えてほしい彼氏、なよなよした新入社員、脂ぎった気持ち悪い上司、そんな人たちを秘密裏にマッチョにさせちゃうぞ、という企画です。

近藤 マッチョになれるんですか?

鈴木 まぁ、ならないですね(笑)。僕は、業界の概念をぶち壊したい。一番嫌いなのは、「俺たちカッコイイだろ?」と思ってやっていることなんです。だから、マッチョたちにカッコイイことやらせないようにしています。一般層に届けるためには、「マッチョ=ナルシスト」を取り払って、「ナルシストじゃないよ、優しいよ、怖くないよ」ということを伝える必要がある。

近藤 その通りですね。まさしく自分もそれを思っていて、花を贈るというプロモーションで、白人のカッコイイ男性がタキシードでプレゼントするというふうにすると、敷居が高くなってしまうんですよね。だから、「花男子プロジェクト」では、ちょっとダサい感じを狙っているんですよ。パフォーマンス中も、カッコイイ姿を見せつつも、MCをおもしろおかしくして、花贈りで始まる人間臭いドラマにフォーカスをあてて、花よりも花贈りから始まる感動づくりを、というような感じにもっていくんですね。

 それから、贈る側の意識だけではなく、花を受け取る女性の意識も、変えてもらう必要があると思っています。男性が花を贈ると、「何か悪いことでもしたの?」と勘ぐられてしまうんです。

鈴木 これは声を大にして言いましょう。実はマッチョも同じなんです。彼氏がマッチョであったら、嬉しくないわけないんです。たまにはマッチョ嫌いだという女性もいますよ。でも、ほとんどの人は嫌いなわけがないですよ。好きですよ。もしね、男と初めてセックスをして、脱がせて、腹筋が割れてたらテンションが上がるでしょう? 僕らだってそうですよ。脱がして、おっぱいが大きかったら、結構テンションが上がるじゃないですか!

近藤 わかりやすい(笑)。

鈴木 男は「おっぱいが好きですか?」と聞かれたら、「好きです」とはっきり言えますよね。でも、女性はマッチョが好きだと、恥ずかしくて言えない。女性には言い訳が必要なんですよ。終電がなくなったとか、寒いから、とか。「ごめんね、俺のせいで」といえば、大抵のことは丸くおさまる。だから、マッチョの企画はあえてふざけておもしろくして、行きやすい場所ですることで、行くことへの言い訳を作るんです。マッチョは好きじゃないんだけど、この企画はおもしろそう。「渋谷マルイ」でやるから便利だし、とか。言い訳づくりは非常に大事だと思います。

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