カルチャー
マッチョプロデューサー・鈴木秀尚さん×花男子プロデューサー・近藤祐司さん対談

新しいバレンタイン文化の兆し!?  マッチョ業界と花業界の異端児が語る「2月14日」のこれから

2016/02/13 19:00
鈴木秀尚さん(左)と近藤祐司さん

 今週末は、いよいよバレンタインデー。今年のバレンタインは、自分が食べるために購入する“ご褒美チョコ”の話題一色と言ってもいいほど、海外の有名パティシエなどの高級チョコの情報であふれている。恋愛しない若者が増えた今、もはや1年に1度、気弱な女性が男性に勇気をふり絞って告白する、そんなバレンタインデーの文化は廃れてしまったのだろうか?

 そんな世の流れに異を唱えるのは、「株式会社ハイ」の鈴木秀尚さん。「バレンタインは、恋愛する男女にとって、告白をするための“言い訳の日”なので、絶対になくなりません!」と言い切る。鈴木さんは2015年からマッチョとともに旅に出る「マッチョバスツアー」、マッチョが接客してくれる「マッチョカフェ」、マッチョがかき氷を作ってくれる「マチョ氷」などを期間限定でオープン。毎度、熱烈な女性ファンが殺到し、マッチョ業界に新たな市場を生み出してきた。今年のバレンタインデーにはアトレ吉祥寺店で2/13(土)、2/14(日)限定で、マッチョたちがプロテイン入りのオリジナルチョコを販売する「マッチョコ屋」をオープンし、バレンタイン商戦に初挑戦する。

 さらに、別の角度から異を唱え、「草食系男子が女性に告白する日になっていく」と分析するのは、愛知県豊橋市で花の仲卸を営む「豊橋ボタニカルガーデン」代表の近藤祐司さん。5年ほど前から、深刻化している男性の花離れを何とかしようと、「花を贈る男性はカッコイイ」という文化を広めるべく誕生した「花男子プロジェクト」の代表でもある。今年2月6日には六本木ヒルズで、ヴァイオリンの生演奏に合わせて、観客の目の前でイケメンの花男子パフォーマーがブーケを作るパフォーマンスを行なうなど、企業、行政からの注目も集まっている。

 そんな独自の活動で、男女の恋愛感情を活かし、それぞれの業界で盛り上げるおふたりに、変わりゆくバレンタインについて語ってもらった。

■花業界の縮小に危機感を抱き「花男子プロジェクト」を開始

近藤祐司さん

――まずは、近藤さんに花業界の景気についてお尋ねしたいのですが、現状はいかがですか?

近藤祐司さん(以下、近藤) 1990年代のガーニングブームをピークに、どんどん廃れています。その当時と比べると、花屋や生産者が半分ぐらいに減り、約7700億円もあった市場が今や半分以下になっています。

 僕が活動の拠点にしている愛知県東三河は、日本一花の生産量が多い町ですが、全国的にはまったく知られていません。地元の人たちすら知らず、知り合いの花の生産者や市場、花屋さんたちは、「10年後、花はなくなるんじゃないか」と話していて、危機感を持ったんですね。そこで「花男子プロジェクト」を始め、花業界だけでなく、時計屋さんや県の職員など、異業種も含めた15名の男性パフォーマーが、観客の前で音楽にのせて、フラワーアレンジメントを作るなどの取り組みを始めました。

 5年ほど前から活動しているんですが、最近、パフォーマンスを通じて知り合った方に、「フラワーバレンタイン(男性が女性に花を贈るバレンタインデー)」に告白したいんだけれど、どうやって渡したらいいんだろうかと、よく相談されるようになりました。男らしいマッチョのみなさんには、考えられないですよね?

鈴木秀尚さん(以下、鈴木) いえ、そんなことないです。うちのマッチョは童貞が多いので。ただ、うちの場合は女性に興味はあるんですけど、筋トレの方が大事。ただ、ストイックなんです。自分の体のために、ぶっ倒れるぐらいまで水を抜いたり、死ぬほど鍛えたり。僕はもう少し女性と遊んだほうがいいと思うんですけどね。マッチョは女性よりも筋肉を選び、クラブにも行かず、酒も飲まず、早寝早起きです。

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