サイゾーウーマンカルチャーインタビュー伝説の女マネジャーが語るセクハラ・パワハラ カルチャー 吉本興業女マネージャー奮戦記「そんなアホな!」』著者インタビュー “男社会”だった吉本興業の伝説的女性マネジャーが語る、セクハラ・パワハラと女の媚 2016/02/11 20:45 インタビュー ――最近ではワークライフバランスを謳う風潮がありますが。 大谷 それは仕事ができない上司が自分を越されたくないから言っているんじゃないかな(笑)。24時間働くことを強制したらもちろんダメですが、仕事したいと言う人にはさせたれや! と思います。会社も社員も休ませないと難しい時代になっていますが、私からすると、やりたいことがある人のエネルギーが余っていてもったいない感じはあります。 ――新入社員の頃、仕事で泣いてしまった時に男性上司から「俺の女と思われるから泣くな」と言われたそうですね。女性が仕事の場で涙を流すことや、男性上司への媚などは、同じ職場にいる女性は特に敏感になる点だと思いますが、そのあたりはどうでしょう。 大谷 媚を売ったりゴマをすったりするのと、相手が求めることや好きなことを理解することは別ですよ。男女問わず、そういうのはビジネスセンスです。男性と女性で流す涙の意味合いが若干変わることは間違いないけど、大事なのは時期とタイミング。「あの先輩からいじめられたから」と泣いていたら同性から100%嫌われますが、堪え切れなくなって思わず泣いてしまうのは、周りも「これは媚とか泣き落としじゃないな」とわかるんじゃないでしょうか。 ――入社して3年目、新人の女性社員を教育したら、彼女が大谷さんの先輩男性に「大谷さんがキツイ」と漏らしたというエピソードも書かれています。「あの先輩が怖いんです」と、男性上司に相談されるてると知ったときは、ショックではなかったですか? 大谷 そうですね。その先輩男性から、「お前があの新人のことをもっと考えてやれ」と言われて、その子に対して「なんで先輩に愚痴んねん。言いたいことがあるなら私に言えよ!」と思いましたし、すごくムッとしました。今でもそういったケースはすごく多いじゃないですかね。そういう時、男性上司がやたらと正義感を出して若い女性社員の方を庇うんですよ。そして強く見える女性社員を叱るという、女性同士の亀裂が走る一番ダメなパターン。 ――それは、子どもがいて時短勤務をする女性と、彼女の分を負担する独身女性の間でも起こり得ますよね。 大谷 人材育成の仕事をしているので肌で感じますが、今は圧倒的にそちらの方が多いですね。社会が時短勤務女性を応援しようという流れですから。嫌味のつもりじゃないのに、独身女性が時短勤務女性に「また子どもが熱出したの?」と言うだけでいじめ認定。そこで男性上司が独身女性に「お前が理解してやれ」と一方的に叱る。人事は時短勤務女性のために正義感を出して守ろうとしすぎで、必死でやっている独身女性を置き去りにしすぎかな。そこで「お前も頑張ってくれているよな」「ちゃんとお前の仕事ぶりも見てるよ」とフォローすれば収まる問題なんです。当人同士ではどうしても難しい問題なので、彼らがそう意識してほしいですね。 (石狩ジュンコ) 前のページ12 最終更新:2016/02/11 20:45 Amazon 『吉本興業女マネージャー奮戦記「そんなアホな! 」 (立東舎文庫)』 男社会と女社会、生き抜き方はこんなに違うのね 次の記事 清原元夫婦に見る“漢”という生き物 >