【連載】夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記1

結婚4年目で夫の浮気が発覚! 不倫の事実以上にショックだったこと

2016/01/21 16:00

 さて、本題に戻ります。それにしても、今って本当に便利な時代ですね。その女性の名前をフェイスブックで探すと、すぐに見つかりました。そこに表示されているプロフィール画像を「この人で合ってる?」と男友達に送ったところ「そう、その人」という返信が。

 なるほど、わたしに対しての態度が感じ悪かったのは、夫と不倫をしていたからなのか――理解した瞬間、すっと体中の体温が下がり、冷たくなった指先の震えが止まらなくなりました。自分でも意外なほどのパニックを起こしながらも「次にすべきは何か……」を必死に考え、でも、なにをどうすればいいのかまるで思いつかず、とりあえず仲のいい女友達に「ちょっと、これから一緒に飲みませんか?」とLINEを送るのが精いっぱいでした。

 以上が、浮気が発覚するまでの経緯となりますが、この後すぐ、この男友達にものすごく感謝する事実が発覚します。というのも、実は決して少なくない人数の、共通の友人や店の常連の方々が、夫の不倫の事実をすでに知っていたことが発覚したからです。

 夫の不倫もショックでしたが、こっちもまた、別の意味でショックでした。

■不倫が周知の事実だと知った時、2 度目の傷を負う


 「なんで誰も教えてくれなかったの? わたしたち、友達じゃなかった?」と人間不信に陥りそうになったものの、しかし、我が身を振り返れば同じ。わたしだって、既婚の友人・知り合いが婚外恋愛や婚外セックスに勤しんでいることを見聞きして知っていても、その配偶者にわざわざ告げ口するようなことは避けてきました。他人さまの家庭の問題に口を出す必要はないし、余計な恨みも買いたくはない。もしもわたしの言動がきっかけとなって家庭が壊れた時に、感じるであろう責任を想像すると、重すぎる。

 それにしても、不倫を匂わせることで、周囲の人々に、余計なプレッシャーを与えたり、気まずい思いをさせることくらい、想像すればすぐに理解できそうなもの。それでもなぜ、不倫中の男女は周囲に関係をほのめかすのでしょうか。

 「既婚者であっても、まだまだモテているということを知らしめたい」「ひとりで抱え込むのはしんどい」「不倫であっても心の通じ合った『普通のお付き合い』だと思っている」「周りに認めてもらって正当化したい」「そもそも不倫が『いけないこと』であるという考えがない」……どんな理由であれ、配偶者の裏切りが周知の事実だったことを知った時、サレ側は2 度目の傷を負うのです。しかし、それを身を以って知り、それを理解した今でも、やはり他人さまの抱えている地雷を拾い上げ、その夫婦の家の軒先に持っていって「危険ですよ!」と言うことはできずにいます。人のふりを見ても、我がふりを直すこととなると、これがなかなか難しいものですね……。
(まほ)

最終更新:2019/05/17 20:06
判例による不貞慰謝料請求の実務
うちの人にかぎって……