コラム
"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第299回】

ジャニーズ事務所が情報操作で隠した“真相”と、報道と入れ替わる“裏切り者”の構図

2016/01/19 21:00

 そのため飯島マネはSMAPを受け入れる事務所を探すなど奔走したが、途中からメリーがSMAP利権を手放したくないと邪心しはじめ、またキムタクが残留するという“裏切り”までが発生する。裏切ったのはマネジャーや4人ではなくキムタクだったことをきちんと指摘する媒体は数少ない。さらに飯島マネや4人が知らないところでさまざまな工作が行われていた。

 そして1月13日、「スポニチ」「日刊スポーツ」が独立を報じたことも、ジャニーズサイドのリークであり、その翌日の「週刊新潮」(新潮社)潰しだったことも記されている。

「4人のメンバーとIマネを悪者にし木村を善人にする必要があった」

 それでもSMAPの存続を示唆する「週女」だが、続いて指摘されるのが今回の騒動が残した恐怖だ。

「すべてのタレントとスタッフが、メリーさんの顔色をうかがいながら活動している。昔から生活面とか礼儀とか怖かったけど、今はそれとは異質の恐怖がある」

 事務所に多大な貢献をし、国民的とも言われるSMAPさえもメリーの一声でどうにでもなる。それは他関係者にとって恐怖でしかないのは当然だろう。

 こうしたことは芸能マスコミ関係者の多くが知っている“事実”だ。しかしジャニーズタブーのため自粛し書かない、しゃべらない。

 そんな中での「週女」の健闘だが、ほかにも芸能界の重鎮A社長(タモリなどが所属する田辺エージェンシーの田邊昭知のことだと思われる)が救いの手を差し伸べようとメリーに働きかけたこと、財界筋(日本財団のことだと思われる)もメリーにSMAP存続を訴えているなどの情報もきちんとフォローしている。

 まさに今回の騒動はメリーの“ご乱心”の結果であり、それを強く臭わせた「週女」。ジャニーズ御用達媒体とは一線を画しジャニーズキラー雑誌として面目躍如だったが、一方の御用達の典型例が「女性自身」の特集だ。

 いみじくも「週女」が指摘したお手本のような悪しき癒着媒体ぶり、いやそれを通り越して内容はスカスカだ。

 飯島マネが親しい友人に「独立はおろか、芸能界での仕事すら諦念した」と別れの言葉を語ったと紹介しながら、しかし飯島マネを徹底批判するわけでもなく、木村に4人のSMAPメンバーと事務所の仲介を依頼したなどと、どうなの? と疑問符が付くような情報を紹介したり。

 木村に対しても「売れたから独立というのは筋が違う」との思いを代弁し持ち上げるが、木村だけでなく他メンバーの美談を紹介したりSMAPの軌跡や絆をおさらいしたりと意味不明。

 諸悪の根源であるメリーに関しても、ほとんどスルーした挙げ句、「彼女は4人が決して憎いわけではない」などと必死にバランスを取ろうと苦慮する様子がありありだ。何をやったかと思えば元SMAP森且行への直撃――。トホホ、である。

 おそらく記事を書いた時点で今後の展開がどうなるか、事務所の意向を忖度しようとしても“読み”も“情報収集”もできないようで、よってブレブレの典型例となっている。

 こうして大騒動を巻き起こしたSMAP分裂危機騒動だったが、発売日の関係で12日夜にそれをキャッチしたという「女性セブン」も騒動勃発当初の断片的情報や、「週刊文春」(文藝春秋)のメリーインタビュー、後継者争いの概要をかろうじて掲載していることを付記しておきたい。

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