「口の中が汚い人に、肌がキレイな人はいない」 女性歯科医が語る、歯のアンチエイジング
――歯を守るために、これだけはやってほしいこととは?
加藤 やはり、クリニックでの定期的な掃除ですよね。歯茎がキレイになると免疫力も上がってくるので、歯周組織を守ることは肌を守ることと同じなんですよ。口の中が汚い人に肌がキレイな人もいないし、歯茎はキレイだけど肌は汚いなんて人もいません。
口内炎に効く製品と肌荒れに効く製品って、同じ商品のものがありますよね。口の中の組織をキレイに保つということは、肌の組織をキレイに保つことにつながるんですよ。口の中のばい菌と戦う免疫力が高まれば、おのずと肌の免疫力も高まっていくんです。
――口の中の健康が、全身の健康・美容につながるということですか?
加藤 口腔内のばい菌は、血流に乗って全身を巡ります。歯周病菌が心臓の弁に住み着くということはすでに発表されていますし、歯周病菌の出す毒素が糖尿病の数値を悪くしているというデータも出ています。また、最近では口腔内の歯周病菌数が多い状態では、ウイルス感染による疾病が重症化しやすいというデータも発表されました。口の中の健康は、身体の健康に本当に直結しているのです。
また、若い女性でこれから妊娠や出産を考えている人は、妊娠する前に必ず歯のケアを行うことをおすすめします。歯周病菌は早産の原因になったり、低体重児が生まれる確率が高くなるので、妊娠する予定のある方は是非、事前にケアを行ってほしいですね。
口腔内の定期的メンテナンスを行うことで肌がキレイになる人は、本当に多いんです。やっぱり、口の中も臓器の一部ですから。いくら外見をケアしていても、常に口腔内のばい菌数が多い状態では元も子もないということですね。何万円もする美容液をつけるなら、口腔内のメンテナンスにお金をかけた方がいいと言えるくらいです。
(橋本真澄)
加藤深雪(かとう・みゆき)
ミユキデンタルクリニック院長。日本大学歯学部卒業後、都立駒込病院歯科・口腔外科、麻酔科にて臨床研修、東京都 医療法人社団医智会 医恵歯科医院に勤務医に並行し、クリスタル美容外科にて独立型デンタルクリニック部門開業。現在はミユキデンタルクリニックの院長として、「予防こそ最良の治療」をモットーに最新の治療法を駆使。
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