カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「VERY」2月号

「VERY」伝説の企画「妻だけED」メンバー再集結! 「妻は理解してる」という勘違いの罠

2016/01/09 18:00
「VERY」2016年2月号(光文社)

 今月号の「VERY」(光文社)は、今までじっくり見てこなかった「子育てファッションだって、世界基準シンプル」という連載ページから見ていきましょう。このページのコンセプトは、「世界基準のシンプルでかっこいいママを目指すための連載」。その最終回となる今月号で取り上げられているのは、ジョージ・クルーニーの妻である、アマル・クルーニーでした。では、その内容を見ていきましょう。

<トピック>
◎子育てファッションだって、世界基準シンプル
◎○○卒業で、オシャレの階段のぼります!
◎レスな夫たち、再結集!

■ハードルが上がってゆく理想の女性像

 アマニ・クルーニーは、国際弁護士・人権活動家であり、誌面の言葉を借りるならば「生涯独身を宣言していたあのジョージ・クルーニーが、知り合ってから半年後にはひざまずいてプロポーズをしたという、まさにシンデレラ」。しかも、「ジョージのハリウッド俳優としての名声も霞んでしまうほどの経歴の持ち主」とべた褒めです。

 昔の「VERY」であれば、夫がジョージ・クルーニーであれば、それだけで十分あこがれの女性像であり、妻の経歴に焦点が当たることはなかったでしょう。もし妻がモデルや女優といった華やかな職業であれば、さらによいといった価値観でしたが、今はそれでもまだ足りず、妻自身も夫に負けないキャリアがあり、その上で、ファッショナブルで美しいことが、今の「VERY」における“最上の女性”たる条件になったのだと、このページだけでうかがい知ることができます。

 「VERY」での“アマニ派”アイコンといえば、クリス‐ウェブ佳子さんなのかもしれませんが、彼女にあこがれきれない専業主婦の読者ももちろんいます。そんな読者のお手本となっているのが、滝沢眞規子さん。モデルの住み分けが明確で、幅広い読者層を得られているのが、現在の「VERY」なのです。

 しかしひと昔前は、「美人な妻」「オシャレな妻」だけで、十分あこがれの対象になれたにもかかわらず、今は「美人で、オシャレで、教養や仕事がある妻」でないと理想の女性にはなれないとは。何かが一点に突出しているのではなく、どの要素も欠けることなく、バランスがいいことの方が重要視される時代ということでしょうか。

■「VERY」妻の苦労が垣間見える“卒業”特集

 次に巻頭特集の「○○卒業で、オシャレの階段のぼります!」を見ていきましょう。この特集、要するに、子育てが進むにつれ、ママが「産後ひきこもり」「授乳」「昼間の授乳」「エルゴ」「公園中心の生活」「専業ママ」「園ママ」などを卒業していく際「どういったオシャレをすべきなのか?」を探る内容なのです。

 読み始める前は、「VERY」のことだから、子育てにおける数々の“卒業”を通して、「人のために生きている自分」「献身的に生きている自分」をアピールする誌面になっているのでは……思ったのですが、その予想は裏切られました。

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