コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

堀北真希、東村アキコ、小島慶子……“女子会”に一家言アリの女たちに見る、それぞれの人間性

2016/01/07 21:00

 女子会といえば、小島慶子も忘れることはできない。小島は「アサ芸プラス」での辛酸なめ子との対談において、女子会を「表向きは仲良しトークをしながら、裏では『私のほうがイケてる』とか、『こいつ意外に足太いな』とか『へんな財布使ってる』とか、一堂に会してチェックする」と語り、つまり女子会を女の格付け大会だと表現した。

 自分の参加は肯定するが、独身女性の女子会には反対な東村。女子会そのものをマウンティングの巣窟と決めつけ反対するコジケイ。女子会とは、同性同士で集って食事をするという「フツウの行為」なはずだが、そこに賛否が生じるのは、女子会を楽しむにはルールがあるからではないだろうか。

 楽しい女子会には、メンバー選びが重要なことはいうまでもないが、もっと大事なことは、メンバーのポジショニング(位置取り)がうまくいくことである。例えば、『東京タラレバ娘』の3人は“同じ”ポジションで統一されている。同じ高校出身で、結婚願望があるのに不倫やセカンドとしての恋愛をしているなど、結婚の見込みのない点が“同じ”なのだ。3人のうち、1人が結婚すると、“妻”と“不倫女”というのは水と油の存在なので、たちまちポジショニングが狂ってしまい楽しい女子会ではなくなる。

 女子会の上級者になると、もっと複雑なポジショニングを楽しめるようになる。過度に女子会の楽しさが染みわたるのは、その集団の中で自分が「ちょっと上」な場合か、参加メンバーの誰かが、回復可能な範囲で「ちょっと不幸」、つまり「ちょっと下」である場合だ。命にかかわる病気や会社の倒産という規模の問題は深刻すぎて、いくら友達といえど介入しにくい。そんなどデカい不幸ではなくて「オトコに浮気されてフラれた」とか「夜中にカキに当たった」程度の不幸であれば、友達が手を差しのべやすく、助けた方も助けられた方も、いい気分でいられる。

 そう考えると、東村が、結婚願望のある独身女性との女子会をするのが楽しいと語るのは、既婚者の自分が「ちょっと上」でいられるから。コジケイが女子会嫌いなのは、誰かが自分より「ちょっと上」といった序列が生まれることさえ許さない、極度の負けず嫌いだからである。

 では、堀北はどうだろう。女子会に参加する場合、自分がどこのポジションを取れるか把握しておくことは、マウンティングというよりマナーであり、それが自分と他人を不愉快な目に遭わせないコツだと思うのだが、「女子会を否定することなく、けれど参加することもない」というスタンスの堀北は、そもそも「他人に惑わされることが少ないタイプ」といえるのかもしれない。山本の手の早さが治るとは考えにくいが、案外長続きするカップルではないだろうか。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2016/01/29 15:31
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