カルチャー
『旅の賢人たちがつくった アジア旅行最強ナビ』発売記念イベントレポート(前編)

クリスマスにシャワーをのぞかれた… それでも女子に勧めるアジアの旅行先とは?

2015/12/29 16:00
丸山ゴンザレスさん

 12月22日、東京・西荻窪の「旅の本屋 のまど」にて、国内外の犯罪を取材するジャーナリスト、丸山ゴンザレスさんが編集した本『旅の賢人たちがつくった アジア旅行最強ナビ』(辰巳出版)の発売を記念したイベントが開催された。

 丸山さんといえば、『クレイジージャーニー』(TBS系)に“狂気の旅人”として出演し、セブ島やジャマイカのスラム街へ潜入するなど、危険地帯へ突っ込んでいくイメージが強い。だが『アジア旅行最強ナビ』は、それに比べると、かなり初心者向け。旅をする上での基本情報や、丸山さんのほか旅経験のある、かなり濃いライター約20名によるコラムが詰まった1冊に仕上がっている。

 今回のイベントでは、ライター陣の中から、世界2周を達成した南まいさん、スラム街や廃墟、ホームレスに造詣が深い漫画家でルポライターの村田らむさんが参戦。南さんによるインドの女子旅から、村田さんと丸山さんが語る、“まったく行く気が起こらない”スラム街案内まで、ディープすぎるアジア旅行の話が飛び出した。今年もあっという間に残りわずか。旅の参考にしてもらいたい。ならないかもしれないが。

■インドの列車のトイレは、床に穴が開いてるだけ

丸山ゴンザレスさん(以下、丸山) 僕に最近来るオファーが、“ディープ”とか“危ない”とかばっかりなんですよね。今回は、前作『海外旅行最強ナビ』(同)がそこそこ売れたので、二番煎じでアジアに特化したものを作りました。基本ヤバくないんですが、一般的なガイド本からは逸脱した内容も、ちょっとは入れましたよ。例えば、“ハッピーピザ(マリファナ、マジックマッシュルーム入り)”の頼み方とか、アジア風俗入門とか。女子旅とミックスしちゃダメだろう、っていうものまで。

南まいさん(以下、南) わたしは、この本で「初めての東南アジアの行き先はどこがいいだろう?」とか、ディープじゃない内容を担当しているんですが、今日は逆にヤバイのがいいそうなので、アジアの中では一番「修行だな」と感じたインドについて語りたいと思います。

南まいさん

 まずインドは、列車移動がめちゃくちゃヤバかったですね。ネパール国境付近からコルカタに向けての20時間ぐらいかかる夜行列車で、7等の300円の席に座っちゃったんですね。7等まであったら、現地の女性でも普通、1等から3等ぐらいまでにしか乗らないんです。でも、良い席は予約に数日かかるので、勢いで乗り込んだら、「日本人の女がここにいるぞ!」みたいに驚かれて、ヤバそうなインド人しかいなかった(笑)。

丸山 (車内にあふれるインド人が写る写真を見て)護送車じゃないですか。みんなスケベを絵に描いたような顔。端っこのオヤジの目とかヤバイ。

 視界の中に100人ぐらいのインド人がいるんですよ。最初は笑顔なんですけど、5〜6時間たって疲れてきて。トイレに行ったら、この狭い空間すらなくなって、死んじゃうと思ったんです。だから、飲まず食わずで20時間。15時間ぐらいたった時に涙が出てきて。毛布をかぶって、石のように固まって、結構泣きました。

丸山 こういうところの列車のトイレはすごいですよね。床に穴が開いてるだけで、線路に直接落ちていくんですよね。

 ほんと汚いです。

丸山 そんな単純構造なのに、ションベンを外すんですよ。トイレの横しか席がなくて、座ってたら外れたやつが流れてくるんですよ。地獄でしたね。

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