「5000円置いて帰れ」男の身勝手な本音満載、不毛すぎる「美人百花」の合コン特集
■「値踏みしてくる女」への被害妄想
今月号は、「合コン最前線 今の時代、必要なのは『モテテク』より『コミュ力』です」という合コンをテーマにした特集もありました。なんでも昨今の合コンは、コミュ力が重要視されているとのこと。小手先のモテテクニックは見破られるから使わない方がいいといったアドバイスが詰め込まれています。
しかし、「コミュ力が大切」などと言いつつも、女性側からは「ガウチョパンツを着ていったらウケが悪かった」「ボーダーで行ったら女扱いされなかった」など、合コンでのファッションに関する失敗談コメントが見受けられ、コミュ力以前に彼女たちが合コンという場にたくさんの悩みを抱えている様子がわかります。
一方で、合コンでの振る舞いを、男性の“本音”から探ろうというページがあるのですが、男性は総じて上から目線。「(合コンに行くのは)彼女を作るのが目的ではない」「男同士で飲むことがメインだから」としつつも、女性の服装や態度に文句をつけまくっており、さらには、女性側から「会社どこなの?」「勤務地は?」などと探り入れられるのも「イラっとくる」そう。女はオレを結婚相手として値踏みしてくる……という被害妄想を膨らませているのでしょうか。女だって、話すことがないから聞いているだけだと思いますけど。
男性側の上から目線は留まるところを知らず、「オレ、別に合コンで女子とどうにかなりたいとか思ってませんけど?」という体にもかかわらず、女性側に「呼ばれてきました感」を出されるのが心底嫌なようで、「別に呼んでねえ」「お高く止まってんじゃねえ」「5000円置いて帰れ」「合コンの数時間くらいは気を使ってほしい」とさんざんな言いよう。
女性側がちょっと気を使って、会社や本人のことを聞くとがっついてるとみなされ、がっつかないと「帰れ」といわれ……挙げ句の果てに「だから君たちは合コンでうまくいかないんだ」とまで言われるなんて、なんと不毛なんでしょうか……。
そもそも男性が、合コンを男同士のコミュニケーションのバリエーションの1つと考えているのだったら、合コンで「うまくいく」もなにもないのでは。こういう特集があることについては、特に何も思いませんが、なぜ男性に対して、女性がそこまで下から目線でいかないといけないのかと思うと、切なくなってきます。
■結婚できないのは女の自己責任?
「合コン最前線」の次には「結婚できないのにはたくさんの理由があってだな」というページが。このタイトルからイメージできるように、『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)の著者、ジェーン・スーさんが登場しています。「合コン最前線」で、「身勝手な男と、それに合わせないといけない女の縮図」を見せつけられた直後、このページでさらに「結婚できない理由」を考えさせられるとは。しかもその理由は「完璧な男と結婚しようと思っているから」「彼を小バカにしたことがあるから」「彼に花を持たせようと力不足を演じたことがあるから」などで、そこまで女性が、結婚できないのは自己責任と思い込む必要はないのでは……。
「未婚にもメリット、デメリットはある」としつつも、結婚できないことに焦りを感じる読者のために、「そこから抜け出すためにはどうしたらいいの?」と答えをほしがっている「美人百花」。一方で基本的に、未婚のデメリットは「あんまりない」というジェーン・スーさん。両者の結婚への姿勢には多少の齟齬があったようですが、女性誌の世界とは、まだまだ「男にへりくだってでも結婚しなければ」という価値観なのだなと思った今月号の「美人百花」でした。
(柴朋美)