サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー深田恭子にあこがれる「美人百花」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「美人百花」8月号 深田恭子という女にあこがれる「美人百花」の“がんばらない”特集がズレているワケ 2015/08/09 16:00 女性誌速攻レビュー美人百花 「美人百花」2015年8月号(角川春樹事務所) 今月号の「美人百花」(角川春樹事務所)は、深田恭子さんが表紙に登場です。「永遠の憧れです!深田恭子様(はーと)」では、「みんながずっと追い続けてきた憧れの顔」「『気が付けば、いつも男子目線で見とれてる(はーと)』と女子に言わしめる」などと、もうとにかく上げまくり。そんな深キョンの言動にも気になるところがいっぱいです。 <トピック> ◎永遠の憧れです!深田恭子様(はーと) ◎「夏のデート服」大質問会(はーと) ◎夏のレディは“がんばりすぎない”ファッションがオシャレ ■深キョンの引き裂かれる価値観 インタビューを読んで見ると、深キョンの言葉は、甘いようでいて甘くありません。例えば、「自分磨き」について聞かれると、「私にとってのそれは、自分に何かを与えることでなく、節制すること」「よくあるご褒美システムには向いていないんです」。また、「頭でじっくり理解しないと行動できないタイプ」なのに、その上「まわりと同じでいなくちゃ」といつも感じているそう。深キョン、価値観が引き裂かれまくりで、内面が混沌としているのでは……と思えてきます。“女子は無理せずナチュラルに”という風潮が高まっている今、「節制する」「じっくり考える」とは、深キョンにはアンチ・ナチュラル思想がうかがえます。 ただ、いつも女優さんやモデルさんのこうした特集では、「特になんにもしてないの!」とお茶を濁されることも多く、「そんなの参考にならねーよ」というありきたりなことを言われることよりは、読者にとってもいいのではないでしょうか。 また、深キョンの趣味はサーフィンで、2年も続けているとのこと。その発言を受けて「キュートなしぐさとミステリアスな雰囲気のギャップが気になって目が離せません」というコピーが掲載されているのですが、「確かにそうかも」と思ってしまいました。一見ふんわりとしているようでいて、“サーフィン”というアクティブな男性が好む趣味も、足手まといにならず、自主的に楽しめる。これは、いまどきのモテたい女子にとっては、参考になるでしょう。 深キョンがすごいのは、どんなに自身の中で価値観が引き裂かれようが、男性ウケしそうなポイントは全部外さないところ。例えば、「ふんわりしていること」と「サーフィンをすること」、また「じっくり自分で考えること」と「まわりと同じでいること」など、対極の価値観を持ち合わせながら、そのどれもが男に好かれそうな要素。そして同時に深キョンは、モテたいと願う女性からの羨望を手放そうとはしないのです。 それは、深キョンが幾度となく「顔が変わった? なんかした?」と言われながらも、決して顔が不自然に派手派手しくなっていないところにも表れているのではないかと思うのです。つまり深キョンにとっては、「自分目線の理想像になること」ことではなく、「ほかの誰か目線の理想像になること」が重要なのかもしれません。 12次のページ Amazon 『美人百花(びじんひゃっか)2015年08月号[雑誌]』 関連記事 「美人百花」読者は年収400万円!? 夢見がちな読者像と高収入のギャップが示すもの鈴木えみによる“着痩せテク”を特集、「美人百花」が時代からズレているところ「自分がどう見えるか」彼と街の視線を気にする「美人百花」の重すぎるファッション観キラキラ女子への誇大妄想!? 「美人百花」、疑問だらけの“広告代理店女子”信仰「優しい春の魔法にかかったみたい」春ポエム連発、「美人百花」の不可思議な点とは?