「5000円置いて帰れ」男の身勝手な本音満載、不毛すぎる「美人百花」の合コン特集
今月の「美人百花」(角川春樹事務所)の第1特集は「冬は『美人だね』って言われたい(はーと)」です。なんでも「スベらない『大人のモテ服』を大特集!!」とのことで、「美人だね」と言われるためにファッションを工夫することは、ヘタをすると“スベるかもしれない”危険性をはらんでいるのだとわかります。早速中身をチェックしていきましょう!
<トピック>
◎冬は「美人だね」って言われたい(はーと)
◎合コン最前線
◎結婚できないのにはたくさんの理由があってだな
■ガウチョパンツをモテアレンジの珍妙さ
特集「冬は『美人だね』って言われたい(はーと)」では、具体的に誰からの「美人だね」という言葉を望んでいるのでしょうか。ただ単純に、周囲から「美人だね」と言われればそれでいいというわけではなく、そこに絡んでくるのが“男性”の存在。「彼が本命彼女に着てほしい服」を研究したり、プチ旅行、愛犬を連れてのドライブ、京都旅行、仕事帰りの丸の内デートなどのシーンにおいて、間違いのないコーディネートを提案したり……「美人だねと言われたい」というのは、つまり「彼に褒められたい」という意味であり、それが企画の趣旨となっているようです。
しかしこの場合、ジャッジを下す男性側のファッションセンスも問われるのではないでしょうか。昨今の男性がいくらオシャレになったとはいえ、彼氏の方もシチュエーション別に、T.P.Oをわきまえたコーディネートができているのか……甚だ疑問です。例えば、今月号の「CLASSY.」(光文社)には「もしも、ちょいダサ彼をお披露目する日が来たら…」という男性のファッションを教育するようなページがありましたが、「美人百花」は女性側だけが努力しているように思えるのです。
それでも「美人百花」におけるオシャレの理由は、「彼の本命として、誰の前に出ても恥ずかしくない女にならないといけない」一辺倒。そのとき、本命をジャッジする彼氏の恰好がどうであろうが、そんなものは関係ないのでしょうか。
本特集で特に気になったのが、今のトレンドであるガウチョパンツやミモレスカートといった男子的には理解し難い“モテない”アイテムを、どう着こなすかというページ。モテを意識しないアイテムを、無理やりモテるようにアレンジして見せているのですが、逆にアイテムの良さを打ち消していて、よりダサくなっているように思えます。こうしたアイテムは、かっこよさや凛とした佇まいがあってこそ生きるものなのに……。
また「モテまくりファッション」として、レース使いのミニのタイトスカートや、細めヒールのストラップシューズなどが紹介されているのですが、ステレオタイプな「男が理想とする女性の装い」というか、非実在の“モテ女子ファッション”のように見えてしまいます。もちろん、こういったフェミニンな装いの女性がタイプという男性もいるとは思いますが、「男ってこういうのが好きなんでしょ?」という女性側の勝手な想像を当てはめただけのファッションとも言えるのではないでしょうか。