サイゾーウーマンコラム京都謎の「かぐや姫竹御殿」に潜入 コラム [連載]そうだソルティー京都、行こう 竹の御殿に鎮座する「かぐや姫」人形――願いが叶うという触れ込みの京都謎スポットに潜入 2015/12/06 21:00 そうだソルティー京都、行こう 京都は、世界屈指の観光地。そして女の憧れの地である。美味いもん食って、寺社を見て、お洒落して、勉強する。何でもかんでも「京都でする」のが女の憧れなのだ。女性誌はこぞって京都特集を組み、ガイド本や京都観光エッセイがボロボロ出版されている。確かに京都には歴史がある。名産品がある。美味がある……そして誰も取り上げないけれど「しょっぱい京都」もある。 しかし京都のほんとうの魅力は、こういうソルティーなところにあるのだ。上品ぶっている女性誌では取り上げないほんとうの京都の姿を、しっかり焼き付けて欲しい。そうだソルティー京都、行こう。 【第30回 かぐや姫竹御殿】 週末でもないのに観光客でごった返す京都・嵐山。派手なお土産どころがギッシリ並んでいて、「竹下通りか嵐山か」というぐらい365日いつでもお祭り状態の場所だ。そんな嵐山のはずれ洛西に、鈴虫寺という有名なお寺がある。入山するのに行列ができちゃう人気寺だ。 松尾大社を横目に見ながら鈴虫寺へ。受付を済ませて広い大部屋に入り、ここで30分ほどお説教が披露される。確かにいい話だったけど、30分のうち半分は「お守りとお札買ってね」っていう宣伝だったよね……。 まあ、そんな鈴虫寺、ちょっと交通の便がよくない場所にあるので、ここだけで帰るのはもったいない。そんな方には、鈴虫寺バス停の向かいにある「かぐや姫竹御殿」はどうだろう。 見た目はとにかくシブい かぐや姫竹御殿は、竹工の名人・長野清助が、自分の別荘として建てたという、竹づくしの場所である。受付をして敷地に入ると、メインの建物の前で、男性がいろいろ説明してくれる。壁も竹、床も竹、屋根も竹、たぶん竹、きっと竹、な竹御殿。 「欄干に使われているのは、キッコウチク(亀甲竹)という珍しい種類の竹。今では絶滅に瀕している」そうです。 亀甲竹は、節目が亀甲文様になって縄目のように幹を締め付けている。幹がムチっと盛り上がっていて、「亀甲」の名に恥じぬ色っぽさ。へー、と思ってググってみると、うん、亀甲竹、フツーに自宅で育てている人がいっぱいいるようである。確かに希少な竹ではあるみたいだけど、説明時に聞いた「昔はいっぱいあったけど今はもうない」的なイメージからは遠い。どうも説明に「非常に珍しい」とか「大変貴重で」という自画自賛が多かったので、話3分の1くらいで聞いた方がいいかもしれない。 お供えのお花がいちいち枯れてるところにホスピタリティ度合いを感じる ほかにも「長野清助はかぐや姫の研究もしていた。が、よくわからない」という謎を呼ぶ説明もあった……。研究してたけれど、わかったことがあんまりなかったってこと? 「あります!」って言って「なかった」みたいな……? まあ確かに、このかぐや姫竹御殿に、かぐや姫についての説明は特にない(察し)。 御殿の奧には金閣寺を模したという御殿があり、そこにはかぐや姫の像が鎮座している。 中に……なんかいるぞ! このかぐや姫にお願い事をすると叶えてくれるんだそうで、折り紙に願い事を書いて鶴を折ってお供えするのだそうな。男性からは「ぜひかぐや姫さまにお願い事をお祈りしていって」と言われた。 たくさんのお願い事がかぐや姫さまに おっと別料金だった! かぐや姫の御殿には「みんなのノート」が置いてある。来客が自分の足跡をぺたぺた書いてくアレである。 絵馬を読むのが大好きな私としては、このテの人々の残り香にはたまらなくそそられる。ぱらぱらとめくってみると、みな「無事にお参りできたことに感謝します」と、大変いい人そうなコメントをしている。そうだね、平和や健康、小さなことにも感謝できるのは素晴らしい。しかし皆一様に「感謝」を書いている。御殿の説明に説教めいたくだりはなかったので、なにかほかに「感謝」の気持ちを抱く機会があるのだろうか。と、不思議に思っていると、ここでは「大和占術」という占いをしてもらえるのだそうだ。なるほど、たぶんそこで「感謝の心」についての話が聞けるのだろう。 ふと見ると、2011年のノートがある。2011年といえば3月11日だ。日本が未曾有の災害に見舞われた日。日々の平和に感謝の念が耐えない彼らは一体どんなことを書くのだろう。ベラベラと3月のページを探す。……あった! えっと……。あれ? 受験に受かったとか結婚したいとか、あの大災害なんかなかったかのような通常モード。震災の1カ月過ぎまで追ってみたけれど、東北について書いているのは1人だけである。あの混乱のさなか、通常モードを貫く参拝者たちの平常心とは、占いのおかげなのか利己主義なのか。 かぐや姫竹御殿は、平日は予約制なので、どうしても行きたい人は前日までに電話予約が必要だ。さらに時間を指定しようとしても「それはちょっと……」とか言って渋られてしまうので「開いてたら行く」ってのがいいのかもしれない。 ちなみに、鈴虫寺のバス停の前には、苔乃茶屋と柚子乃茶屋というお店が並んでいて、片方は「元祖門前とろろそば」、片方が「本家とろろそば」ののぼりを立てている。見るからに大げんか中である。 値段も片方が50円安かったりするし この後、バス停から5分ほどの場所にある「地蔵院」にも足を運んだ。一休さんが修行したというふれこみで、閑静でステキなお寺だったけれど、現地に一休さんの残り香は何もなし。 洛西は、あまり観光地化されていなくてのんびりしたところだけど、覗いてみれば、遠路はるばる来た観光客から小銭せしめようというメラメラした商売っ気をガンガン感じる場所なのであった。現金は多めに用意していこう。 和久井香菜子(わくい・かなこ) ライター・イラストレーター、少女漫画研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、語学テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。街で見かけたおかしな英文から英語を学ぶ「Henglish」主宰。 最終更新:2019/05/21 18:35 関連記事 客を呼ばねば潰れる!? 観光激戦地・京都で見つけた、金福寺の必死すぎる“看板芸” 本能寺跡地がとんでもないことに!! 原哲夫先生ミーツ信長な珍スポット「信長茶寮」に潜入まさにソルティーの見本! 百人一首の施設「時雨殿」の不思議ゲームの数々 【ジャニーズ情報専用】Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン! Amazon 『the KAGUYAHIME forever』 下膨れ顔のかぐや姫、うっすら細木数子に見える 次の記事 桃、Amazonレビューが大炎上 > Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する アクセスランキング コラム 165万リングの買い直しを決意したワケ 「若く見える」と言われたときの返し方 あびる告白、娘の連れ去りはレアケースではない 英王室と皇室の違いとは? 皇室の“セックスマニュアル”? その内容は ビオセボンのおすすめ食べてみた 【デニーズ】2,310円、有名レストラン監修メニューのコスパは? 食べてわかった子連れにウケる4つのポイント サラリーマンと結婚した皇女が金銭難で内職? 「美智子さまいじめ」の主犯 「私には迷信と思えない」幼い息子に起こった異変とは? 奇跡的だったお坊さんの指摘 秋篠宮さまの“プロポーズ美談”は全部ウソ? 2022年スピ“教祖様”たちの注目動向 学習院「常磐会」が行った「美智子さまいじめ」 婚約発表で“元カレ”問題が浮上の皇室 鈴木亮平の冴羽獠はなぜ素晴らしい? 秋篠宮さまが小室さん問題の渦中に見せた言動 『ブギウギ』ドラマと徹底的に異なる逸話 秋篠宮さま、大学時代に「7人の恋人」? 中学受験の合格手続きでミス 「新しい自分になる」危険ドラッグで8階から飛び降り――「ラリってしまいたい気持ち」を禁止しても意味ない? 総合 【ダイソー】110円「シューズケース」は冷凍庫に◯ イオン系列の新スーパー【ブランデ】レポ 【ポッポ】ヨーカドー閉店ラッシュで絶滅危機 今週の人気記事ランキング 【ダイソー】110円「水切りカゴ用ポケット」活用術6 大量閉店の【ミニストップ】を調査! 【ダイソー】110円「ブックエンド」洗面台で使う アラフォー婚活、最後に彼氏に料理したのって 【ダイソー】110円L型ビニールケース 後輩にしたいボーイズグループメンバー発表 視聴率不振が心配される夏ドラマ STARTO勢Xフォロワー数ランキング11~25位 【ダイソー】110円のコレ、洗面台収納に 【サイゼリヤ】平日ランチ実食おすすめ5品 アラフォー婚活、海外旅行ばっか行ってる 165万リングの買い直しを決意したワケ 爆増中のチェーン【鰻の成瀬】目が釘づけ スノ・深澤、同期会開催を宣言 「若く見える」と言われたときの返し方 衝撃の英王室スキャンダル5選 カルチャーの人気記事 アラフォー婚活、最後に彼氏に料理したのって アラフォー婚活、海外旅行ばっか行ってる バチェラー・黄皓が結婚発 アラフォー婚活、45歳イケメンの残念点 アラフォー婚活、「結婚しよう!」26歳男子からプロポーズ カルチャー一覧へ サイ女の精神!過去の人気コラム リボ払い100万円の女が降伏! メルカリで55万円のシャネルのショルダーバッグとは? コラム 『酒のツマミになる話』小籔千豊の“ド昭和”な一面が露呈した「ええとこの」女性の話 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 中学受験「トップ校狙えるのになぜ?」偏差値と憧れに固執していた母が娘に教えられたこと “中学受験”に見る親と子の姿 コラム一覧へ