サイゾーウーマンカルチャーブックレビュー「同じママ」というには無理があるタキマキ本 カルチャー [連載]ここがヘンだよ子育て本! セレブママ・滝沢眞規子が、「同じ主婦/ママ」として読者のもとに“降りてきた”ことが生む悲劇 2015/12/13 16:00 ここがヘンだよ子育て本! 「主婦って最高~」と読者を一気に持ち上げた後に、お気に入りグッズとして登場するのが、節目節目にダンナから贈られるバーキン、ジミーチュウやマロノブラニクが並ぶ靴箱、気分を上げるための雨の日用のTOD’Sのローファー……。気分を上げるためだけに泥水に革靴ぶち込むのは、勝ち組にしかなし得ない技ですよ。ほかにも「お祭りで取ってきた金魚やみんなが欲しくて買ったカメがどんどん成長したので」という理由でビオトープ作っちゃう都内豪華一戸建て、「主人のお店のオープンの際に家族みんなで同行」する海外旅行……。主婦業礼賛で読者をハイにさせたかと思えば、「節目のバーキン」で奈落の底に突き落とす。あまりのジェットコースターストーリーに、乗ってる読者は目ぇグルグルですよ。「カネがあれば主婦は楽しい」度は満点の★10! 本書の冒頭、「私と同じ」立場として「主婦」や「ママ」を挙げてきたタキマキさん。しかし、タキマキさんが「普通」のこととして、雨の日でも気分を上げるために革靴を履き、子どものためにセンスある誕生日会を開くほどに、読者との距離が離れていく。「私たちの半歩先を行くタキマキさん」が、半歩ではなく1kmぐらい先にいる存在だと知らしめるのです。これぞ資本主義のリアル! しかし……最もタキマキさんのキャピタリズムを感じた箇所は、バーキンでもジミーチュウでもベガス旅行でもない、高級化粧品の中にぽつんと置かれたパンテーンなのでした。この商売上手!! (西澤千央) 前のページ123 最終更新:2015/12/13 16:00 Amazon 滝沢眞規子 MY BASIC (VERY BOOKS) 具体的な子育てを語られるよりボディに効いてくる、タキマキ節 関連記事 お勉強頑張ってきた系ママの“はっちゃけ”が詰まった、『福田萌のママ1年生。』頑張るママたちを追い込む、意識低い系育児・松嶋尚美の天真爛漫さご神木に抱きついたり、聖水を浴びたり……妊娠・出産すら頑張り過すぎちゃう高島彩なぜ渡辺満里奈は「ウットリ」と「ゲンナリ」の狭間に漂うのか……その答えは「育自」にあった!出産前の息子から「地球を守れ」と指令……山田まりやに宿る自然派志向を超えた“なにか” 次の記事 ドロドロ復讐劇『秘密』、青ひげがスゴイ! >