V6とHey!Say!JUMP、空気感の類似性……世間の評価が変わっても“昔のまま”の関係性
今回ツッコませていただくのは、『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)で2世代メインパーソナリティーを務めたV6とHey!Say!JUMPに見る「家族」感。
この2組は、いずれも兄組・弟組に分かれるというグループ構成や、弟組のほうが主に人気を牽引してきたこと、どちらもダンスを売りにしているグループであることなど、類似点がよく指摘されてきた。
だが、かつて「超怖かった」と言われ、社会人経験もある坂本昌行を筆頭とした縦社会&バリバリ体育会のイメージがあるV6に対し、JUMPは最年長の薮宏太と高木雄也が優しくフワフワしたタイプであることから、上下関係なく、わちゃわちゃしたノリで、グループの印象は大きく異なっている。
だが、あらためて見るとV6とJUMPには、ほかにも類似点があることに気づいた。例えば、それを感じたのは、復活SP『学校へ行こう!2015』(TBS系、11月3日放送)と、それを振り返った『アメージパング!』(同)だ。V6が現役高校生たちのもとを訪ねるとき、意外にも「まず俺らのことを知らないだろうな」と不安げに呟いたのが、かつて人気トップだった森田剛で、「でも知ってはくれてるだろう」とポジティブな反応を見せたのが坂本と長野博だったことには、隔世の感があった。
だが、その一方で、ロケの車中を見ると、昔も今も本当に何も変わっていない。運転をしているのはずっと変わらず最年長の坂本だし、助手席にはサポート役の長野、その後ろに賑やか&おちゃらけ担当の井ノ原快彦と、静かに微笑む末っ子・岡田准一、後部座席にはまるでクラスのバス遠足で最後列を陣取るヤンチャな男子グループのような森田と三宅健が座って、好き勝手なことを言ったり、勝手に眠ったりしているのだ。
すっかり大人になって丸くなった森田も三宅も、グループ内ではいまも変わらずヤンチャな弟だし、日本映画界を背負って立つスターの岡田はグループ内では昔も今も寡黙に微笑み、要所要所でピリッと締める発言はするものの、だいたい「空気」である。そして、それを真面目で熱いお父さん・坂本と優しいお母さん・長野が見守り、間で「真ん中っ子」井ノ原がキョロキョロしながらふざけるという家族構成が、本当に昔と変わらず、懐かしくて仕方ない思いだった。
一方、Hey!Say!JUMPの場合、平均年齢15歳のデビューから、今年で8年目となり、全員がすっかり大人になった。長年「山田と愉快な仲間たち」と呼ばれ続けてきたグループから、一人ひとりの露出の高まりとともに認知度を高め、昨年からは『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)をきっかけに有岡大貴が、今年になってからは伊野尾慧が、一般層からも注目され、人気を集めている。
特に伊野尾に関しては「女の子みたいで可愛い」とか「姫」といった扱いをする新規ファンが続出しているものの、グループ内では今も変わらず知念侑李が不動の「姫」である。
例えば、11月25日深夜放送分『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)にて。「視聴者の一大事を解決」としてメンバーたちがさまざまなチャレンジをした中、知念が「くしゃみをすると、必ず目が閉じる」という問題に挑み、一発で「目を開けたままのくしゃみ」を成功させた。なんでもできてしまう知念の器用さもさすがだが、メンバーたちの「スゴイ!」「さすが!」という手放しの喜び方には、昔から変わらない関係性を見た思いがした。
知念はアクロバットが得意で、グループ内でも最も鍛え上げられたマッチョな肉体を持ち、今では外見的にも内面的にもすっかり男らしくなったことをメンバーたちは知っている。それでもメンバーたちは、中性的な少女のようだった頃と何も変わらず、知念に「可愛い」「さすが!」を連呼し続けるのだ。
これって家族の関係性によく似ている気がする。
V6もJUMPも、「世間」という外からの見方はその時期によって変わってきている。それでも、どんなに大きくなっても末っ子はいつまでも兄弟の中で一番チビであるように、どんなに頼もしくなっても、子どもは親にとっていつまでも頼りなく幼い子どもであるように、グループの中での扱われ方・ポジションは、ずっと変わらない。
そんな年月を経ても変わらぬ、あるいはますます強まる「ファミリー」感こそが、V6とJUMPという2グループの共通点ではないか。そして、それは兄組・弟組という年齢差があるからこそ育った空気なのだと思う。
(田幸和歌子)