ブス飯欲爆発&睡眠欲は消失の「8時間ダイエット」! 実践してわかった「ヤセたい」の女心
3日目:あれ、全然つらくない。気づけば昼で、カルボナーラ(野菜たっぷりだよ☆)。おやつにチョコタルトを食べてしまったので、夜は帳尻合せにヨーグルトをかけた グラノーラのみ。しかし、体重は200グラム減のみ……。J子は「昼にヨーグルト、夜に豚の冷しゃぶとかぼちゃの煮付け、白米、トマトとアボガドのサラダ。おやつにロールケーキを1カット……無性に生クリームを欲して!」。生クリーム欲って強大だよね。そして体重は700グラム減。あと1キロで20歳の頃の体重になるらしい。えっ……私、20歳の体重までだと、あと20キロよ!? J子は「桐谷美玲の写真を見ながら頑張ってます!」とのこと。私がそれをやったら山咲千里的な痛々しさだよ!
4日目:昼にナポリタン。夜は栗ごはんと干物と漬け物。J子が「水を大量に摂ると消化がよくなるので、ガブ呑みしてます!」と言っているので、白湯をガブガブ。「今夜は、いい結果が出そう☆」とほくそ笑んでいたところへ、恋多き女友達から「新しい恋に落ちたので呑んでください!」との連絡が。恋バナ好きの血が騒ぎ、「8時間過ぎだけど、まいっか☆」と居酒屋へ。焼き鳥3本、お通しの切り干し大根&厚揚げ、そしてウーロンハイ2杯。軽めに抑えたつもりだったが、体重 1キロ増!! 恋バナは高カロリーなのかもしれない……。一方のJ子も生クリーム欲が治まらないらしく「いちごクレープをキメてしまいました……」との報告が。夜は「梨を1個と、豚キムチ、レタスとトマトのサラダ」だったらしいが、300グラム減。その代謝の良さが憎い……。
5日目:予想外の暗雲が……。すでにJ子の報告が2日まとめてに。もしかしてアンタも三日坊主? さて、スタートラインの体重になった私は、夕方に反省のグラノーラ。それで終わらせようと思ったのに空腹に負け、夜に納豆チャーハン。そして、400グラム 増。過去最重の82.4キロだよ!! ちょっと泣く。J子は仕事が忙しかったらしく、23時に寿司6貫と茶碗蒸し2杯。体重は400グラム増。
6日目:朝、気合のグラノーラ。夜は豆ごはんと漬け物。なのに100グラムしか減らない……。昨日の深夜に「ここからはラストスパートです!」と尻を叩くようなメールをしてきたJ子だったが、この日から連絡が途絶える。アンタがちゃんとしてくれないと!
7日目:朝、なんと1.2キロ減☆ さらに飛躍しようと、またもグラノーラ。夜はついついナポリタン。おやつは煮干しで、夜の計測を楽しみしていたのに、見事に900グラム増えていて、トータルで300グラム減。ふりだしに戻っただけ……。
8日目:突然、カレーTSUWARIに襲われる。大量に豆カレーを作る。夜は鍋にへばりついたカレーでドライカレー。太るかと思いきや200グラム減。昼間に4キロほど歩いたのが良かったのかしら。
9日目:仕事が詰まってしまい、生活がメチャクチャ。「8時間は守るから!」と、深夜にカレー。朝にピザトースト。どうしても甘いものが欲しくなり、キャラメル蒸しパンも。でも500グラム減。たぶん大事なのは排泄。
10日目:仕事が佳境。ど佳境。深夜にしらす丼、朝にツナトースト。300グラム減って、通算ジャスト1キロ減。「こんなもんか……」と落ち込みつつも、仕事の仕上げ。
そして翌日、奇跡が起きた。豆ごはんのおにぎりと漬け物を深夜に食べ、合間合間に煮干しを食べつつ、ひたすら仕事。脱稿してから夜に測量すると……わっ、3キロ減ってる!? 11日間で4キロ減。体重もようやく70キロ台。まずまずだね。さて、前半5日間で1.2キロヤセたJ子からは「まとめての報告になり大変申し訳ありませ ……」というタイトルで、食事リストが送られてきた。
6日目:味噌ラーメン+白米のみ(J子は白飯がないとラーメンが食べられない女なのです)
7日目:とんかつ弁当、メロンパン(ブス飯、おいしいよね☆)
8日目:王将のチャーハンと唐揚げ2つ(これは男子大学生飯じゃない?)
9日目:ヨーグルト、ポテト、ピザーラのピザLサイズを1人で(うんうん。働く女はLサイズのピザを1人で食いたい夜があるものよ……)
10日目:メロンパン、とんかつ定食、カレーせんべい一袋(ブス飯+せんべい一袋……どブス飯だね☆)
J子は「野菜をこんなに食べなくても、人間って生きられるんだな……と感慨深くなるほどです」などと悠長なことをほざいているが、仕事が激化していたらしい。とんかつやメロンパンを欲してしまう気持ちはわかるよ。若人だもの。で、肝心の体重はどうなったのよ? と思いきや「1.8~1.2kgヤセた感じです」と曖昧。基本「厳しく追求しない(だから私にもしないで)派」なので、優しく受け止める。まあ、2人ともヤセて大成功ってことにしよう。
結果として「大野さんショック」の方がヤセたJ子は不満気だったが、私はこのダイエットを気に入った。実はここ数年、ずっと胃が重たかったのだ。考えてみると、「食欲」はいつだってあったけれど、「おなかが空いた」って実感は、長いこと感じてなかったわー……。久しぶりの「胃スッキリ状態」が気持ちよくて、その後もダイエットを続けることにしてみたところ、念願の自称体重である75キロをマークすることができた。大喜びしたものの、その後、実家に2泊したら、一気に3キロ太った……。仕方ない、またコツコツやればいいのだ。実家にいる間は「なんでも食べる息子」の仮面を被ろうではないか(もちろん白眼で)!!
ちなみに、実家の母(79歳)も、私につられて8時間ダイエットに挑戦している。最初の10日間で1.5キロしかヤセなかったことに不満だったようだが、その後も継続して、2キロまでヤセたらしい。ずいぶんと頑張るなーと思ったら「月末に友達と会うの☆」との策略があるらしい。その女心、その負けん気は、美容というよりも「生きる気力」だと思うので、大いに称賛しておいた。特に病気と闘うワケでもないダイエットに必要なものは、共に努力する仲間と、見栄なのかもね☆
大久保ニュー(おおくぼ・にゅー)
1970年東京都出身。漫画家。ゲイの男の子たちの恋愛や友情、女の赤裸々な本音を描いた作品を発表。著書に『坊や良い子だキスさせて1』(テラ出版)、『東京の男の子』(魚喃キリコ、安彦麻理絵共著/太田出版)などがある。
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