コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

華原朋美、暴露トークに感じた“見下し”――あの頃を忘れられない歌姫の物悲しさ

2015/11/12 21:00

 “暴露”と同様に、バラエティの定番といえば、熱愛ネタだが、華原朋美も定期的に話題を提供している。明治天皇の玄孫・竹田恒泰との熱愛報道の際は結婚間近と見られたが、竹田は元AKB48・畑山亜梨沙とのデートを写真週刊誌に激写され、“二股疑惑”が浮上。その後、竹田は一般人女性と結婚し、結果的に華原がフラれた形で幕を閉じた。

 次なる相手は、プロレスラー・本間朋晃である。『有吉ゼミ 芸能人の人生が変わるスペシャル』(日本テレビ系)内の企画で、ずっと華原の大ファンだった本間に告白され、華原は「こんなピュアな人はいない」「友達から」とオッケイを出す。ただし、「夏のツアーのチケットがあるんで、よかったらどうぞ」と本間にチケットを渡すなど、さりげなく告知をぶっこむあたり、ビジネス臭が強く、本気でないように私には感じられた。

 華原は本間についても『ガキ使』で暴露。2人は連絡先を交換し、本間は毎日のように求愛のメールが送ってきたが、ある日突然「もう僕の名前はテレビで出さないでほしい」と告げられたという。その理由についての華原の発言は、ピー音で隠されていたのでわからないが、本間には別に交際している女性がいて、そちらとトラブルに発展しているという報道を指しているのではないかと思われる。またしても“二股”に巻き込まれた華原は、本間が汚いという意味で、「あっちはノンピュアですから」と述べた。

 本間が二股していたとすれば、その行為は“ピュア”とは言えないだろう。が、よく考えてみると、“ピュア”な大人なんているわけはないのである。嘘も方便ということわざ通り、嘘や打算で動かない大人はいない。現に華原も、小室に見初められて、その他大勢のアイドルから抜け出せると思い「勝ったと思った」と述べるなど、小室との関係が“ピュア”な恋愛感情だけではなかったこと示唆している。

 大人は“ピュア”でないのが当たり前。だからこそ、“ピュア”という言葉は、大人には使わずに、赤ん坊や子ども、子犬など、かよわくて弱い物に使われることが多い。保護されないと生きていけないという意味で、彼らは大人より“一段下”の人間である。つまり、華原は本間を“下”に見ていたということである。

 “下”に見ると言えば、『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京)で、フットボールアワー・後藤輝基が、「人気絶頂のアイドルより、一世を風靡したアイドルが少し落ち目になったとき、オレにも手が届くんちゃう? と思ってぞくぞくする」と述べていたが、華原の線香花火のような熱愛は、これに当たるのではないか。竹田や本間も、華原の絶頂期だったら、手が出せなかったが、今ならイケると思われた可能性がある。華原は小室と比べて、竹田や本間を“下”だと思っていたのだろうが、竹田と本間にとっても、華原は“下”になりつつある女なのだ。

 「変なオトコにモテモテ」と華原は語る。バラエティ番組向けの自虐だろうが、小室と一緒にいた人気絶頂の“あの頃”と今の自分は違うことに、気づいていない。華原の全盛期を知る身としては、そこが物悲しくてならない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2015/11/12 21:05
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