カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」12月号

カッコいいとモテの矛盾に疲れた「CLASSY.」読者を癒やす、「愛が深まる服」という夢物語

2015/11/13 14:00
「CLASSY.」2015年12月号(光文社)

 「CLASSY.」(光文社)がこなれ万歳と言い続けてはや幾年……ついに新しい局面へと突入するのか、今月号の特集は「こなれを超える!『カッコいい』の新基準」です。この数カ月「CLASSY.」がぶち上げてきた“大人の余裕”“サバけた女”はここに帰結するのでしょうか。

 そんな思いを抱きながら読んだ、特集冒頭の対談「里子×梨花『カッコいいってこういうこと』」。今や堂々たるファッションプロデューサーである梨花と、「CLASSY.」の表紙モデルを4年以上務める小泉里子。12年来の付き合いがあるという2人が「カッコいい」女性、生き方について話しているのですが、これがわかるようでわからない“うっとり”合戦の様相を呈しています。

「洋服のトレンドがどうっていうよりも、中身重視というか…その人なりの着こなしが重要なのかも(小泉)」
「いろんなことを考えて、結構もがいてきた。でも、それがあったから、すべてが繋がった『今』があると思うの(梨花)」

 とにかくこなれろ、いやキレイにこなれろ、いやいやカッコよくこなれろ……コンサバワンピからこなれ圧力に翻弄されてきた読者にとって、「その人なりの着こなし」とは遠い彼岸にあり、「すべてが繋がった『今』」もまた幻。こなれよりも困難な“中身”“人間性”を語る2人にファッション誌の罪深さを見せられた思いです。

<トピックス>
◎特集 こなれを超える!「カッコいい」の新基準
◎流行無視!? 男ウケ服だけで11月の着回しDiary
◎愛が深まる「3段階レイヤード」を知っていますか

■ガウチョパンツに身内を殺られた男たち

 前述の企画で、「歳をとることをネガティブに考える人も多いけど、若い人では表現できない潔さとか爽やかさもある。緩んだ二の腕やおしりはやばくても、その肉感が実は愛おしかったり(笑)」「若さにこだわるより心豊かで楽しく、ナチュラルに生きるのがカッコいい」と話していた小泉。加齢に逆らわずに生きることこそカッコいい。それは長くアラフォー女性誌が訴えて続けてきたこと。「若い人では表現できない潔さ」とか「若さにこだわるより」とか、加齢の一つの象徴である「若さへの意識」が尋常じゃないほど見え隠れしているのが今の「CLASSY.」。

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