墓守・介護・財産・遺族年金……入籍がゴールではない、中高年の婚活事情【中高年婚活編】
■入籍が目的ではない、中高年の抱えるさまざまな背景
――子どもという理由のほかに、中高年ならではの結婚理由としてどんなものがありますか?
立松 ずっとお一人で暮らしてこられ、ご両親も他界されたご高齢の男性の中には、女性の方にお子様がいらっしゃることを希望される方もいます。お墓などの面倒を見てほしい、財産を継承してほしいというケースですね。
――結婚に求めるものは年齢によって多様化していくんですね。
立松 そもそも私どものサービスは中高年の方々にご利用いただいていますので、単純に「お相手の方が見つかりました=入籍」とは考えていないんです。いろいろなことをクリアして結婚の形をとられる方もいらっしゃいますけれど、お子様がいて、また財産もある場合はむしろ籍を入れるのはトラブルにもなりかねないので、一緒に住むだけにしたり、通い婚にしたりなど、いろいろなスタイルをとられる方がいらっしゃいますね。それぞれが一番心地のよい形でパートナーシップをとられるのがいいのかなと思います。
「何が何でも入籍してくれないと嫌!」とおっしゃると、これはこれで先ほどの「子ども」の件同様に、お相手が引いてしまいますよね。入会の前に、入籍を希望されるのか、入籍にはこだわらないかは確認させていただいています。
――入籍を希望するのは女性が多いでしょうか?
立松 そうですね。ほかにも年代や、ご結婚経験にもよります。若く、結婚経験のない方ですとご入籍を希望される方も多いですよ。逆に、死別された女性の中には再婚されると遺族年金がもらえなくなってしまうから入籍は希望されない、という方もいらっしゃいますね。
私どもは結果を追いかけていないんです。「結婚相談所」ではなく、「結婚情報サービス提供」事業をしておりますので、交際のご報告も義務づけておらず、成婚料(結婚に至った際に利用者が結婚相談所に支払う料金)もいただいていません。ただ、中にはカップルでご挨拶に来てくださる方もいらっしゃり、そういった声が聞けますととてもうれしいですね。