「チアシードって何がスゴイの?」管理栄養士に聞いた、体に良い点&悪い点
ダイエットに高い効果が得られるとして海外セレブも御用達の“チアシード”。日本国内でもローラや道端アンジェリカが愛用していることで注目を浴び、話題のショップが軒を連ねる南青山の期間限定商業施設「COMMUNE246」でも“チアシードウィーク”が開催されるほど人気を集めています。
豊富な栄養素を含み「奇跡のスーパーフード」ともいわれているチアシードですが、そもそもどんな食品なのか、摂取の仕方で効果は変わるのかなど、管理栄養士の宇野薫氏にお話を伺いました。
――高いダイエット効果で話題になっているチアシードですが、そもそもどういった食品なのでしょうか?
宇野薫氏(以下、宇野) 一般的な食品より栄養価が高かったり、一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれていて、高栄養食品として健康や美容に効果が認められているものを「スーパーフード」と呼ぶのですが、チアシードはその中でもとりわけ多くの栄養素を含む「プライマリースーパーフード」の1つです。
中南米産のシソ科植物「チア」の種子で、食物繊維、オメガ3脂肪酸、タンパク質、亜鉛、鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、セレン、クロロゲン酸など、12種以上の栄養を含んでいます。また、通常の黒いチアシードに混じる白いチアシードは、特に栄養価が高く、黒いチアシードが水を含むことで約10倍に膨らむのに対し、白いチアシードは約14倍にも膨らむんですよ。
――ダイエット以外で期待できる効果にはどのようなものがありますか?
宇野 冷え性やむくみ、頭痛の改善、アレルギーや風邪の予防、美肌効果、精神のアップダウンの安定、妊娠力など多くの効果が見込めます。また、水にふやかすことで生成されるチアシードのジェル部分にはグルコマンナンという食物繊維が含まれるため、便秘の改善も期待できますよ。
――最も効果を得やすい摂取方法などがあれば教えてください。
宇野 朝食にチアシードをトッピングすれば、1日に必要な栄養素をしっかり摂取できます。日本女性は朝食欠食率が高く、また、1日の栄養摂取量自体が少ない傾向にありますが、水で10分ほどふやかしたチアシードをスムージーやヨーグルトに入れるだけなら手軽なので、朝食を抜きがちの方でも摂りやすいかと思います。チアシードはクセがなく何にでも合いますから、味噌汁や納豆、卵とあわせてもおいしくいただけますよ。スプーン一杯(10~15グラム)程度でレタス30倍の食物繊維、厚生労働省が推奨する1日分のオメガ3脂肪酸の摂取が可能なのですが、特にオメガ3脂肪酸は体内で合成できない栄養素なので、できるだけ毎日口にした方が高い効果を得やすいでしょう。
――オメガ3脂肪酸とはどのような栄養素なのですか?
宇野 皮膚や粘膜の機能を高め、細胞を正しく機能させる作用があるとされています。オメガ3脂肪酸を摂取することで、記憶力の改善や活性酸素の抑制、血液凝固低下作用、アレルギーや炎症の抑制、免疫力の向上、生活習慣病の予防、精神的安定、妊娠力アップなどの効果が得られるといわれてます。“肌がきれいになる”という効果も女性にはうれしいですよね。サバやサンマなどの青魚、くるみやえごま油にもオメガ3脂肪酸は含まれていますが、チアシードの含有量はサバの5倍以上です。
――チアシードを摂取する上で、気をつけておくことはありますか?
宇野 十分な水分と一緒に摂取した方がいいでしょう。水分が不足していると 体内の水分を吸収してしまい、便秘などの症状を引き起こすことがあります。また、薬ではないので1日の摂取量が決められているわけではありませんが、過剰に摂るとミネラルバランスを崩す危険性があり、便秘や軟便などにもなるので、1日20グラム程度に抑えておくといいでしょう。
――体によいからといって過剰摂取しては元も子もありませんね。
宇野 ユーグレナやアーモンドミルクなど注目されているスーパーフードはいろいろありますが、どれも適量をムリなく摂り続けていくことが大切です。朝食や補食で上手に摂り入れて、ご自身の体内栄養価をアップさせてくださいね。
宇野薫(うの・かおる)
管理栄養士。祖父の糖尿病をきっかけに食事の大切さを痛感し、管理栄養士を志す。予防医療推奨のための健康サポートサービス事業に携わり、メタボ、シニア、女性のためのサービス開発や、疾病予防、アンチエイジング、ビューティ等、なりたい自分になるための栄養指導に従事。