「女は顔、男は金」時代の終わりを感じさせる、「VERY」の似たもの夫婦たちとは?
今月号の「VERY」(光文社)には、2012年の別冊付録「イイ男はたいがい、人のもの」を彷彿とさせる「あのパパ素敵、の奥さんは やっぱりオシャレ」という、最近の「VERY」にはない、読者を煽るようなタイトルの特集が組まれていました。「VERY世代は、みんな違って、みんな、イイね!」「今月は、頑張らないVERY」など、ここ最近の「VERY」は、人と比べることに躍起になるのはやめましょうといった方向性の特集が多かったのですが……早速読んでいきましょう。
<トピック>
◎あのパパ素敵、の奥さんは やっぱりオシャレ
◎家族でお風呂、夫婦でお風呂のススメ
◎「なんちゃってイケダン」に気をつけて!
■「VERY」夫婦がどんどん似ていく理由
まず、特集「あのパパ素敵、の奥さんは やっぱりオシャレ」のはじめには、「自分ひとりじゃなくて、“家族単位”で褒められるほうがいまはうれしい。そんな声をよく聞きます」とあります。また、「好きなブランド、今日着る色。最近、“似たもの夫婦”がどんどん増加中」とのことです。
確かにかつては、心理学者の小倉千加子さんが「結婚は顔と金の交換」と言っていたものですが、今の「VERY」的結婚観では、顔と金の交換は相互にするもの。どちらもほどほどに持った似たもの夫婦でもあることが多くなっていると思います。妻にも経済力を求めるようになったからこそ、夫にも顔……つまりファッション性を求めるようになってもおかしくはないのです。というか、今時、妻と夫のファッションがしっくりしないカップルは、「VERY」らしくに見えませんよね。それだけ、現在の結婚は同質性が求められているのだと思います。
また、誌面でのちょっとした変化も感じました。実際の“似たもの夫婦”が多数登場しているのですが、妻も夫も年齢とどこに住んでいるかは書かれているけれど、職業は書かれていない。気になってバックナンバーも調べましたが、最近の「VERY」では、一般の方の職業を書くことは、さほど多くないようです。
かつては、旦那の職業が医師である、会社経営であるということが、「VERY」では重要だった気がしますが、最近はさほど重要視されなくなったようです。もしくは、夫婦でセンスあるファッションに身を包み、住んでいる地域を見れば、「それなりの暮らしをしていることは察しがつくでしょう?」ということなのでしょうか。見た目が階層を語る時代なのかもしれません。