「恋愛と美容は似ている」コスメフリークたちが追い求める、“私のときめき”という快楽

――美容と医療の違いはそこにあるかもしれませんね。

尾崎　薬事法のルールによって、化粧品は薬と違って「効いちゃいけない」という側面もあるんです。そもそもが、あいまいなものなんですよね。だから感情の反応は大事だと思います。

安彦　でもコスメ好きって、オタク的なコレクション気分になるんです。新作出たらあれもこれも試して、というループが終わらなくって。もう私は疲れ気味……。若いときは「化粧品と心中する！」という勢いだったんですが、最近は化粧品への期待は減ってきましたね。コスメ疲れかも。

大久保　疲れたから「天然」なものにいった？　それってゴージャスで見栄えのいい男に疲れて、見た目ぱっとしないけど公務員的な安全株にいくのに似てるわね。

尾崎　そうですね、運命の王子様を探す旅と美容法探しは似ているかもしれません。でも、私のところに化粧品や美容の相談に来る方の話を聞いていると、恋愛と美容って似ているんですよ。

大久保　麻理絵は確かに、今の家庭を持つまでは燃えるような恋の狩人だったかも！

安彦　そうかもね～。そしてニュー姐はイモっぽい男が好きだから石けん、手ぬぐい（笑）？

大久保　シートパックは、たまのアイドル？

――尾崎さんから見て、安彦さん、大久保さんの美容への向き合い方はどう感じますか？

尾崎　ニューさんはアトピー肌というマイナスからスタートしているので、せめてゼロになりたい、現状維持したい、と控えめですね。「昨日の自分より、きれいになりたい」とは思っていない。なので、美容という名の「宗教」にハマらないタイプかなと思います。でもSK‐IIを愛用している話を聞くと、「宗教」が自分に必要とあれば、それを選択できる積極性も持っている気がします。安彦さんは、ゴールがない快楽型というか、宗教にハマるタイプ（笑）。私の美容は、今すぐ大金にはならないけど、数年後いい目を見たいという積立型かも。

大久保　麻理絵は、美容界の「成田アキラ」を目指して開拓してよ！

安彦　快楽型……私、美容に向き合う方法を見直した方がいいのかなぁ。

尾崎　そんなことはないですよ、いろいろなコスメや美容法を楽しんで試せるのなら、それはいいことです。化粧品というものは、劇的に肌のレベルが上がりはしないけど、レベルをキープすることはできる……そんな気楽さで楽しむものと思っています。

安彦　楽しんだもの勝ちね、よし、忘れないようにします！　とりあえず、牛乳石鹸を買って帰ります（笑）。

大久保　やっぱり恋のようね……。今日は勉強になりました、ありがとうございました!!
（取材・文／佐川みえい）